【コラムvol.5】幸せのモノサシをすり込む社会。
幸せのモノサシを壊す社長。
ハラスメントはどっち?

「ハッテンボールを、投げる。」vol.5  執筆/伊藤英紀


あるところに、おせっかいな社長がいました。

「自分なりの幸せを語ることは、簡単そうで、じつはとても難しいこと」が、この社長のクチグセ。「幸せのイメージは、内からではなく、外からすり込まれることが多いからね」ということです。だから社長は、そんなすり込みを壊すために、社員たちにいつもおせっかいな助言をするのでした。

27歳のAくんは幸せになるために、35歳までに年収800万円を手に入れたいそうです。そこで社長はAくんにこんな助言を送ります。

社長「ところできみ、家事はできる?」Aくん「いえ、まるで。」社長「じゃあ、きょうから料理と掃除をそこそこできるようにがんばろう。」Aくん「はあ、なんのためにですかね。」社長「だってきみ、年収800万円欲しいんでしょ?」Aくん「えっと、ちょっと、意味わかんないんですけど。」

社長は、Aくんの営業マンとしての能力を平均だと評価しています。世の給与所得者のうち、年収800万円を超える人は約7%。Aくんがその7%に入る可能性は高くない。社長は先行きをそう読みます。しかし別の方法を考えれば、年収800万円どころか年収1000万円越えもぜんぜん可能だと考えています。

年収400万円の奥さんを見つけるのです。Aくんの年収は400万円ですから、足せば世帯収入800万円で、希望をそく実現できる。27歳前後で800万円なら、1000万円を超える日もそう遠くはない。そのためには家事分担をやり、女性を尊重できる男でなければなりません。だから社長は、家事の上達をススメるのです。

「一人で800万円より、二人で800万円の方が税金もかなり得。一人で家計を背負うより二人の方がラクだし、二人で助けあって生きる安心や充実感も得られるだろう。」“稼げない男は幸せになれない。”そんなすり込みを壊して、Aくんを現実的に有効なプランを考えられる男に育てようとするのでした。生活においても仕事においても。

社長は、社員の暮らしや恋愛にほどよく首をつっこむ。デートを迷っている女性社員に対しても、「その男は、仕事の夢を語りたがるの?それも悪くないが、たとえばマウンテンゴリラの話で女性を楽しませるヤツがいいと思うけどね」などと言います。“女性は、夢を語る男を好みがち。だから、女性を口説くときは仕事の夢を語るとトク。”こんなステレオタイプな説がすり込まれている男も少なくないから、彼は女性をナメたマニュアル男かも。が、ゴリラを語る男は視界が広いし、ゴリラを語ればモテるなんて通念はないから、そいつは少なくともセコイ損得くんじゃない、ということらしい。

こんな社長を、「現実的すぎてロマンチックじゃない」と、悪口をいう社員もいます。でも社長は気にしません。「そんなこという社員の方がロマンチックじゃない」と考えているからです。

「厳しい時代、いろいろあるが、夫婦二人で大事な仲間とも語り合いながら、助け合って生きていこう。そのために、大事な人に何かを与えられる自分であろう。」そんな決心を、社長は「とてもロマンチックだ」と社員たちに伝えるのでした。

すり込みは、近い過去の残像からやってくる。時代は大きく揺れ動き変化しています。近い過去の幸せ説というすり込みは、あっという間にアップデイトされていく。“年収1000万円を稼げる男がハッピー”というステレオタイプなすり込みは、30年前のバブル時代のしつこい残像かもしれない。

足がかりのない幸せをふわふわと思っている限り、社員の手足は空回りするばかり。人生が空回りする社員に、地に足のついた仕事はできない。社長はそう考えているのです。だから社長は、社員たちにこう言うのでした。

「たとえば東京生まれで親の財産がたっぷりある贅沢な女が、田舎出で親の遺産などない質素な男と結婚することはほぼない。そのように、人には見えない壁があって、人の可能性は制限されている。でもその制限を恐れることなんかない。可能性は無限だ、というステレオタイプなすり込みのほうが、人を不幸にするのだから。」

「人生は昔から制限だらけ。制限の中でいかに幸せを追うか、その中でいかに伸び伸び生きるか。それが人生なのだから。」

こんな社長ですが、能力の高いCくんには、バブル時代の仕事習慣を適応するのでした。管理職に言います。「バブル時代は、誤字脱字をつつく役人みたいな仕事チェックはなかった。いい意味で乱暴に、“やれそうな若いの”に仕事をまかせていた。あのやり方が、成長期のやり方。だからこの案件はCくんにやらせてみる。重箱のすみをつつくような小言は、絶対に言うな。翼を奪うな。」

上司は部下を細かく管理するもの、という停滞期特有のステレオタイプなすり込みを、社長は壊すのでした。社長は、教育者です。研修会社ができない教育を社員に与えています。社会がアナウンスしない幸せへの足がかりを、社員たちに教育しています。すり込みにおどらされない“内発性”、を育むために。こんな社長が、これからの時代には求められるのだと思います。

(次回へ続く)


中小企業に、発展のきっかけを投げかけたい。だから、ハッテンボールです
【ハッテンボール・グループ 代表取締役 伊藤英紀】
企業表現コンサル/コピーライター 1961年生 広告学校と大学をダブルスクール。㈱リクルートで、バイトなのに制作チーフを務めたのち、同社契約コピーライターに。1990年 前身 伊藤英紀事務所を創業。※元ワイキューブ取締役 

 

 

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社長は、まだ、自社を知らない。
社長は、自社の魅力や可能性を、あんがい知らない。30年、中小企業を見てきて、つくづく思う。社長のお考え、事業の過去・現在・未来。伊藤英紀と若いのがパーティーを組み、ワイワイ質問したおす2時間半。会社丸ごと、棚おろしです。棚からボタモチのように、気づかなかった自社の魅力がドサリと手に。
ブランド・理念経営・事業戦略・組織強化のみなもとを、再発見・再定義するパーティーに、ぜひ。