【コラムvol.45】
『恋』という包装紙をひっぱがす。

ビジネスや仕事はシンプルに構造化し、誰にでも再現可能なわかりやすい仕組みにして、能率的かつ省エネで営むことが、生産的ではある。理屈ではそうだ。

しかし、たとえ構造や仕組みを考えついたからと言って、簡易派の人ばかりで、それを動かす組織や仕事を、豊かに創り上げることができるかというと難しいと思う。

なぜなら、組織を構成する人間も、サービスや商品の供給先である社会も、とても複雑だからだ。仕事だって、本当にすばらしい働きをする人の頭の中や行動特性は、緻密で複雑だ。

その人を棚卸ししたとして、軽い人が同じ要素で仕事を組み立てて再現しようとしたってできるはずがない。緻密で複雑だから、大切なものがすっかりこぼれ落ちるだろう。

複雑であることは良くないことだ、と放棄してしまえば、「簡易セオリー」ばかりを次から次へと漁ることで、無駄な時間を浪費してしまう。能率を追求するあまり、非能率な人間になってしまう。

虫のいいセオリーなどない、ということがわかっている人は、包装紙の類に飛びつかない。簡易派からすれば無駄にしか思えないような本を、損得ではなく興味にまかせて読むだろう。

漫画や映画やポップスやアートでも、表面的にライトに見えても深さのあるものが嗜好に合うだろう。ぺらぺらのものは遠ざける。人にとって大事なことは、読み解くのにそれなりに負荷がかかる複雑なものからしか学べない、とわかっているからだ。

そこには、簡単には言い表せない読後感があり、そこで得た感銘や高揚や知見も、笑いや感傷も、驚きや戸惑いも含めて、自分の脳と心身に沁みわたっていくからだと思う。

簡易なわかりやすさが、なんだか必要以上に大事にされているように感じるこの頃。複雑にも、愛を。ということで、こんなテーマとなりました。


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【ハッテンボール・グループ 代表取締役 伊藤英紀】
企業表現コンサル/コピーライター 1961年生
広告学校と大学をダブルスクール。㈱リクルートで、バイトなのに制作チーフを務めたのち、同社契約コピーライターに。1990年 前身 伊藤英紀事務所を創業。※元ワイキューブ取締役
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