【コラムvol.61】
いくぞ荒野へ。

「ハッテンボールを、投げる。」vol.61  執筆/伊藤英紀


荒野を生きている。荒野を生きていくのだ。

僕はそう思っています。
大げさですけど、おおよそそんな気分です。

そして、
「荒野がどうした!荒野を嘆くのはよそう」
と思っています

(荒野という響はちとロマンチックすぎ?
でも、“ビンボーになり劣化する日本”より、
荒野の方が生きる気力が湧きません?
いいやあ、“荒野”で押し切ろう。)

日本の産業競争力は落ち目。
新成長分野でも光明を見出せない。
世界でのポジションは下がる一方だ。

収入が上がらない人だらけ。
年金不安、老後不安が押し寄せる。

人口減と高齢化は急速で、
国政の混迷と退廃は著しい。

大地震など災厄の可能性は
年々高まっていく。

眼前には荒野がもっと広がっていく。

だからなんだ。それがどうした。
嘆いたところで、
荒地は肥沃な大地には戻らない。

ミクロの私たちは、マクロに対して
異議申し立てを厳しくし続けるべきだ。

無策ではいけない。政治の劣化は許せない。
子孫のために、中期的な新産業の
育成ビジョンを描くべきだ。
荒野で倒れる人を見殺しにするな。
税金の使い方を間違えないでくれ、と。

かといって、荒野化は当分止まらないのだ。
それが冷酷な現実ではないですか。

じゃあ、優先順位として
一等やるべきことは何か。

荒野化が進むという現実を受け止めて、
荒野を生きる、と決めることだと思う。

荒野で生きる上で、陥ってはならない罠は
次の4つではないか。

1)荒野なんかイヤだと目を覆い、
前向きでいれば、ちょっと先に
肥沃な楽園がきっとやってくるはず!
とポジティブバカになってしまうこと。

2)荒野なんかイヤだと逃げ道探しに
必死になるあまり、希望的観測を
キラキラと説く怪しい笛吹きに
ひきずられ、迷路にハマりこむこと。

3)脱荒野!を約束する力強いリーダーに
魅せられ、この人なら不安を消してくれる、
この人にまかせれば大丈夫と、
思考停止して身を委ねてしまうこと。

4)めんどくさいので、何も考えないこと。

4つともすべて、
荒野で生きる覚悟と対策が遅れる。
行き倒れてしまうリスクが高まる。

目を見ひらいて荒野を見つめ、
「ハイホー!生き抜いてやるぜ!」
と自分の足で立って荒野を楽しむ人間。

「そのうち、よくなるんじゃない?
ニホンってなかなかすごいんでしょ?
誰かがよくしてくれるよお」
と相変わらず誰かだのみの人間。

両者には、きっと大きな差がついてしまう。

荒野であっても、花は咲き、星々は瞬く。
そばには大事な人、愉快な人がいる。
輪になって酒を飲み、歌をうたう幸せがある。

シンパシーを抱ける人々との
新しい出会いもたくさんあるだろう。

マクロでは荒野であっても、
人は、自分の足元というミクロで
豊かな商いもできるし、幸せな
コミュニティーを築くこともできるのだ。

ただし、楽園という蜃気楼を振り払い、
眼前の荒野をニヤリと不敵に見つめて、
「いくぞ荒野へ!ヒャッホー!」と
仲間とともに笑顔で馬を駈る人であれば。。

荒野には、寄らば大樹は生えていない。
年功序列という、ぬくい配給所もない。
お上から幸せや安寧はこぼれ落ちては来ない。

自分を信じ、自分が信じられる人と語りあい、
励まし助けあって生きていく。

「荒野モード」に切り替えて、生きる。
自分の「荒野モード」とは何か、を考える。

「荒野には、仲間と一緒に
自分の足で立つ自由があるんだゼ!」
そう信じて生きたいと思います。

有限の命です。
いつか肥沃になる未来があるとしても、
自分の命には間に合わない。
そんなめぐり合わせも人生ですよね。


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中小企業に、発展のきっかけを投げかけたい。だから、ハッテンボールです
【ハッテンボール・グループ 代表取締役 伊藤英紀】
企業表現コンサル/コピーライター 1961年生
広告学校と大学をダブルスクール。㈱リクルートで、バイトなのに制作チーフを務めたのち、同社契約コピーライターに。1990年 前身 伊藤英紀事務所を創業。※元ワイキューブ取締役
有限会社ハッテンボール ◎創業1990 ◎設立2006 ◎資本金1000万円 〒169-0073  東京都新宿区百人町2-27-7 ハンドレッドステイレジデンス1108 ℡03・6698・4863
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