【コラムvol.64】
親戚列島

「ハッテンボールを、投げる。」vol.64  執筆/伊藤英紀


あ〜な〜た〜のキスを〜数えましょ〜う♫
という歌がありましたが、いま僕は、
あ〜な〜た〜の先祖を〜数えましょ〜う♫
と歌っております。さあ、数えましょう。

誰にでも、僕にもあなたにも、
生物学上の親は2人いる。
そして、その親にも親が2人ずついます。
計4人。父方母方、双方の祖父母です。

そして4人の祖父母にもそれぞれ親がいて、
曽祖父母は8人になります。
さらに曽祖父母8人にもそれぞれ親がいて、
高祖父母と言うそうですが16人になります。

ここまでOK?
間違いありませんか?

つまり一世代遡るごとに、
先祖は2倍に増えていく計算です。

で、問題。
さて、このようなカウントの仕方で、
あなたの先祖が1000人を突破するのは
何世代先になるでしょうか?

カチャカチャカチャ(古い電卓を叩く音)
出ました。答えは10世代先になります。
その数、1024人です。

しかし倍々増の威力ってスゴイなあ。
11代先が2048、12代先が4096、
13代先が8192…

ええい!
じゃあ思い切って1億人の大台突破は
いったい何世代先なんだコノヤロー!
(電卓に魅せられた俺はもう
誰にも止められないのサァ)

出た。答えは、27世代先になります。
27世代遡ると、
なんと先祖は1億3421万7720人。

たまげません?

仮に一世代の隔たりが30年と計算すると、
27世代×30年=810年
あなたが40歳だということにすると、
850年前ですから、27世代前の先祖は
西暦1170年くらいの人間ということに。

日本の歴史で言えば、
平安時代の末期、源平合戦の直前です。

しかしここで矛盾というか、
不整合に気づきますよね。
平安末期の人口が1億人いるわきゃない。
平安末期は400万人前後らしい。

たとえ世代間の隔たりが20年であろうと、
40年であろうと、どう計算しても
27世代前の先祖の数より、
日本の人口は圧倒的に少ない。

私たちの先祖は一体どこからやってきたの?
人口にカウントされない宇宙人か妖怪か。

どこか狂っている。いや僕の頭じゃなくて、
どこかで計算が、狂っている。
それはどこなのか?

僕はひとり、
そりゃそうだよなあと合点しました。
この計算じゃダメだあ。

たとえば「曽祖父母は8人」という前提が、
思い込みなんですよね。

今でも普通に多い、いとこ婚。
親がいとこ同士の結婚の場合、
曽祖父母は8人ではなく、
6人になるじゃないですか。
これを忘れちゃいけませんね。

日本書紀や古事記には、
異母兄弟姉妹の結婚がたくさん
記載されていると言いますが、
親が異母兄弟だとしたら、
どうでしょう。

祖父母は4人ではなく、
3人という計算になります。

叔父と姪が結婚しても、
親戚同士が結婚すれば先祖は減ります。
兄妹などでも婚姻はあったようです。

近親婚のタブーの起源については、
生活文化的な視点で幼少期を共に過ごした
時間が長いと、兄妹や親族は
そもそも性衝動を感じにくいとか。

人類学的には、内部ではなく外部と
婚姻を結ぶことで、交換の関係を広げ、
社会を広げていったとか。
いろんな学説があるようです。

逆に、家の財産権を外に奪われないように、
血縁間での婚姻を押し進めた
という事実もあるようです。

中世ヨーロッパの富裕な財産を持つ貴族など
特権階級の中には、
近親婚が頻繁だったケースもあるとか。

さて、ここでもういちど
しつこく先祖数計算。

電卓魔と化した僕は、
近親婚がまずまずあったという前提で、
先祖は倍々増ではなく1.5倍で
増えていったとしてカチャります。
(電卓は麻薬かもしれん)

もちろんなんの根拠もありません。
ゲームです。

当時の日本の人口と先祖数が重なる時代を
計算してみます。

カチャカチャカチャカチャカチャカチャ
カチャカチャカチャ…

だいたい重なりました。46世代前だと、
先祖は428万5665人という計算になります。
(計算ミスはご容赦を)

46世代×30年=1380年
あなたが仮に40歳だとすると、
1420年前ですから、46世代前の先祖は
西暦600年くらいの人間ということに。

聖徳太子の時代ですね。
この時代の人口もまた400万人前後で、
まあ、筋が通らないこともない。

でも、ここでまたゲームのくせに
たまげるんですね。

なんじゃコリャ、
日本列島に住む人間は
そうとう血縁やんけ!と。

デタラメな計算ですが、
いずれにしても私たちはかなりに血族なのだ、
が僕の勝手な今日の収穫です。

だから、どうというわけではないけど、
私が面白ければ大丈夫。
(時計は夜中の1時半。
ナニが大丈夫やねん、ナニやっとんねん、
銭にならんコラムのために)

あーあ、
お疲れ様です、コクヨの旧式電卓くん。
深夜残業ありがとう。


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中小企業に、発展のきっかけを投げかけたい。だから、ハッテンボールです
【ハッテンボール・グループ 代表取締役 伊藤英紀】
企業表現コンサル/コピーライター 1961年生
広告学校と大学をダブルスクール。㈱リクルートで、バイトなのに制作チーフを務めたのち、同社契約コピーライターに。1990年 前身 伊藤英紀事務所を創業。※元ワイキューブ取締役
有限会社ハッテンボール ◎創業1990 ◎設立2006 ◎資本金1000万円 〒169-0073  東京都新宿区百人町2-27-7 ハンドレッドステイレジデンス1108 ℡03・6698・4863
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