人間交換日記 25通目「その手法はツマラナイ!」安田

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


25通目/安田からの返信
「その手法はツマラナイ!」

練習時間がゼロだから歌が下手である、という事実にフォーカスする。そりゃそうなんでしょうけど、その手法はつまらないです。勉強ができないのは「私が努力してないからだ」ってことでしょ。そんなの当たり前じゃないですか。走るのが遅いのも、給料が安いのも、私の努力が足りないからだ。努力すれば今より早く走れるし、今より給料が増える。そりゃそうですよ。でもそれは解決策とは言えません。問いが重要であることには賛同しますが、問うべき内容を間違えてます。正しくは「私は早く走る必要があるのか?」「なぜ私はこの仕事をやっているのか?」という問いではないでしょうか。どこにフォーカスするかで答えは変わる。

前回24通目/大野「自分が知っている『今の自分』なんてごくごく一部でしかない」

安田さんへ
自分の都合のいいように解釈しようぜ!っとは一切思っていません。むしろそれを僕は似非ポジって呼んでいます。
ただ、言えることは世界中の何もかも総てを知悉している賢人でない限り、神と通信でき、神から直接コーチングを受けているんだって人でない限り、自分が知っている今の自分なんてごく一部でしかない。私という人間はこうだ!コレが自分だ!の様な今見えているものが全てという態度だとしたら傲慢極まりない。

 ちなみに解釈(歌が下手)ではなく事実(練習時間0)にfocusして問題解決するのが健全だって事が言いたかったのです。次は制御可能か不可能かの区別をつける事。このステプップを突き詰めるとあるものが見えてきます。

ー大野より

 

前々回23通目/安田「性格ではなく技術?」

大野さんへ
確かニーチェか誰かが言ってました。「事実などない。そこには解釈があるだけだ」って。どんな出来事でも自分に都合がいいように解釈できる人を「プラス思考」と呼ぶのかもしれません。そしてこれは訓練によって可能ということでしょうか。朝起きたら大雨だった。テーブルに足をぶつけた。当たりの宝くじをなくした。というような一見ネガティブな出来事があったときに「おお!なんて私はラッキーなんだろう」と満面の笑みを浮かべてみる。そして間髪入れず「だってホニャララだもの」とラッキーな理由をひねり出す。これができたら人生最強ですね。必要なのはポジティブな性格ではなく、ポジティブな理由をひねり出す技術ということでしょうか。

ー安田佳生より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
http://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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