人間交換日記 46通目「役割の優劣の話をしているわけではない」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


46通目/大野からの返信
「役割の優劣の話をしているわけではない」

役割の優劣の話をしているわけではない。可能性の話です。
安田さんが自身の人生観において、自分の可能性をどう把握していらっしゃったとしても、それと全ての人の可能性はイコールではない。大統領はある象徴としてのたとえですから、歌手でもプロ野球選手でも八百屋さんでも何でもいいのです。それが何であれ、望もうと望ままいと可能性はある。予め可能性が無い人はいない。
所で、安田さんの言う、果たすべき役割とか、なるべきものに近づいていくにはどうしたらいいですか。又、私なりに把握する事と言いますが、その私なりに近づいていく事や把握する事と妥協や決めつけ等の現状維持との区別はどのように知ることができるのですか?

前回45通目/安田「またそこに戻りますか」

大野さんへ
せっかく歩み寄ったのにまた戻しましたね。大統領になる可能性のある人はあらかじめ決まっている。この意見はまったく変わりません。なぜなら私は大統領を特別視していないからです。自分には自分の果たすべき役割がある。その役割に優劣などない。これが私の意見です。もちろん全体を完全に把握することなどできないし、自分自身も完全に把握することなどできないでしょう。だからと言って何もしなくていいわけではない。私なりに世界と自分自身を把握すること。ここがすべての始まりだと思っています。分からないから何者にもなれないわけではないし、何者にでもなれるわけでもない。分からないなりになるべきものに近づいていく。それが人生。

ー安田佳生より

 

前々回44通目/大野「常に今の自分は部分であり、全部ではない。」

安田さんへ
それ以外にないと言い切られる形で未来を変える方法を安田さんに提示して頂きました。
未来を切り開けるということは、一番最初の問いに戻りますが、大統領になる人は予め決まっているということではないですよね?
また、未来を変える方法の中に、自分を知ること、とあります。自分を知るにはどのようにすれば正確に知ることが可能と考えているのでしょうか?
なぜなら、常に今の自分は部分であり、全部ではない。知っている自分。感じている自分がすべてじゃない。また、世界をきちんと観ることだと言われましたが、観えているもの、聞こえているものが全部ではない。もっといえば、信じているものしか観えないし、聞こえない。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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