人間交換日記 55通目「人は可能性を認識できない」安田

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


55通目/安田からの返信
「人は可能性を認識できない」

人は目に見えるものでないと、その存在を捉えることができません。言葉にできるものでないと、その存在を定義することができません。だからどうしても「見えるもの・言葉にできるもの」に縛られてしまう。これは仕方のないことだと思います。問題はその「縛られている自分」に気がつくかどうか。今の自分には見えないもの。言葉にできないもの。そこにこそ無限の可能性がある。それは事実だと思います。ただしその可能性を引き出すのは簡単ではありません。なぜなら人は見えるものしか信じないし、言葉によってしか思考することが出来ないから。この縛りを振りほどく方法があるのなら、ぜひ教えていただきたいです。

前回54通目/大野「可能性をとらえる目」

安田さんへ

思いの他、時間が…(笑)
僕たちは、可能性をとらえる目が何かによって曇っている。そうさせているものは、比較や対立、評価や基準、所謂物差しです。そして、曇った目で眺めている現実では、人間は想像の及ぶ範囲でしか恵みを受け取ることができない。それを規定しているのが言葉、どう表現するかです。自分自身と状況を今とは違う別の言葉で言い換える手段をどう開発するかが鍵です。1926年、アインシュタインはハイゼンベルクに、目に見える事実だけで理論を組み立てる意味がない。現実は正反対だ。理論によって目に見えるものが決まるのだと語っている。僕は、言葉が意味の範囲を創り、探求すべき新しい可能性を開くと信じている。

ー大野より

 

前々回53通目/安田「ようやく一致してきました」

大野さんへ

なりたいものに進む過程の中でのみ結果的に「なるべきもの」になっていく。これは私も賛成です。自分に向き合うこと。これも大賛成。自分に向き合い、自分の心が求める「なりたいもの」に向かって進んでいく。すると結果的に「なるべきもの」になれる。素晴らしいじゃないですか。まさにこれですよ。私が言いたかったことは。でも多くの人はこれが出来ない。なぜなら自分ではなく他人や世間に向き合っているから。「なりたいもの」の定義にも他人の評価や社会的なランクを加えてしまうから。そんなものを取っ払い、本当の自分に向き合う。すると自分の本質が欲する「なるべきもの」が見えてくる。ようやく意見が一致してきましたね。

ー安田佳生より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto. com
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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