153通目/安田からの返信 「あるべき自然な姿とは」
今が完全ではないから完全なものをめざす。これはつまり完全(正解)があるという前提ですよね。その前提は人間のおごりだと思えてなりません。なぜ自然界に進化が起こるのか。それは変化の副産物だからです。変化することはとても自然なことです。なぜなら同じ状態(カタチ)に留まるためには膨大なエネルギーが必要だから。もちろん変化にもエネルギーは必要ですが自然はそれを循環という無限ループで支えています。停滞も変化もエネルギーが必要だけど停滞ではエネルギーが枯渇する。つまり変化とはあり続けるための自然な姿なのです。川の流れに目的はあるのか。流れることそれ自体が目的なのではないか。私にはそう思えるんですけど。
前回152目/大野「全てが違って見える」
なるほど。きっと、僕にはまだ見えていないものを安田さんには見えているのでしょうね。それでも、僕は確信しているんです。進化が起こるのは、結局今が完全ではないから。もっと言えば、完全ではないという立場をとっている。適応も適応しなくていいじゃん、という立場を取れなくもない。このままでいいという立場は変化すら起こさない。それは環境から強いられて起こる場合はあるにせよ。そして、進化したら優秀か?生き残っているのは優秀さの証か?と言えばそうじゃないというのは僕も全く同じ考えです。人間の場合、色々変えるけど何も去年と違っていないなんてことが起こる。それに対して進化は何も変えていないのに全てが違って見える。
ー大野より
前々回151通目/安田「進化とは単なる運」
今が完全ではないから進化が起こる。私はこの説には反対です。なぜなら進化したことで滅びた個体もたくさんあるからです。では生き残ったのは優秀な個体か。そこも同意できません。生き残ったのは単に環境に適応した個体です。その日、そのとき、その場所に、たまたま適応しただけ。つまり進化とは単なる運の繰り返しだということ。じっさい人間が成長しているかどうかは甚だ疑問です。縄文時代のほうが完成度は高かったかもしれない。人間はどんどん愚かになっているようにも見えます。自分の価値が本当にわかっていたら○○しない。ここに入る言葉は「ムダなこと」でしょうか。でもムダのない人生なんて私は嫌ですけど。
ー安田佳生より
交換日記をする二人
安田佳生(やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。 2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち) 株式会社一番大切なこと 代表取締役 https://ichibantaisetsunakoto. com https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/