GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜【vol.009】

案A: Sweet Innの日本展開を業務提携(東京/大阪)
Sweet Innはヨーロッパの主要都市(パリ、ロンドン、バルセロナなど)は網羅しているのですが、日本を含むアジアはカバーしていません。でも、前述した世界の宿泊関連トレンドが示すように、日本では各国からの旅行者が増えていますし、これからも増える見込みです。

ですから、身も蓋もない話ですが、 Sweet Innの日本でのサービス展開権利を業務提携ベースで契約すれば安定的な事業展開が出来ると思います。

なにせ、顧客は世界各国からSweet Innが送客してくれるわけですし、プラットフォームも既に確立しているわけですから。

-東京と大阪で、高級なアパートメントタイプの部屋を数十程度準備する
-各部屋(またはエリア)にスタッフを配置する(もし既にホテル事業者であれば近隣の自チェーンのホテルから随時派遣すればいいと思います)

多分これだけでOKなはずです。既存のホテル事業者ならばすぐにでもサービス展開可能だと思います。

 

案B: 日本人向けコンセプトSweet Inn(with ペット/ベビー/シルバー)

結局のところ、Sweet Innが狙っているのは「旅行好き&従来のホテルには飽きてしまった層」なわけです。ここにもう一つ『&』を入れて、よりニッチターゲットを狙うのはどうでしょうか?これは日本人のための国内旅行プラットフォームとして展開可能な案です。

それは「元々旅行好き&事情があって旅行をためらう&従来のホテルに飽きている」層だけに向けた「アパートメント型であり、かつホテルサービス付き(Sweet Inn型と呼びます)の部屋」運営です。

「事情があって旅行をためらう層」の3大メジャーはといえば

1.ペットがいて家を空けられない
2.小さい子供がいて旅行をためらう(でも飛行機は2歳以下がお得だから連れていきたい、、、)
3.両親の介護をしていて家を空けられない(両親を旅行に連れていきたいけど旅先で不安)

これが3大メジャーだと思います(他者の存在によって潜在的旅行ニーズが抑制されている層)

この層に対して、「ペット」「ベビー」「シルバー」の各専門スタッフが常駐するホテル又はアパートメント(もちろん施設も3大メジャーに合わせたファシリティ)を取り揃えて、コンセプト旅行サイト及び人材マネジメントを運営すればビジネス化できるのではないでしょうか?サイトではTOPページに、「ペット」「ベビー」「シルバー」の3つの入り口を設ければいいですね。

現在この3大メジャー関連のいずれかの他事業を展開している事業者が、そのまま「宿泊事業」に参入してもいいでしょうし、新規参入事業者が宿泊施設や予約システムなどの「受け入れのハコ」だけ用意しておいて、人的リソースは業務提携で3大メジャー関連の既存事業者から「スタッフ派遣とノウハウ提供」をしてもらう形でも成り立つのではないでしょうか?

いずれにしても、近未来の宿泊事業は、いかに「ホテル」と「民泊」の中間領域を埋めるべくデザインするか?が焦点になりそうですね。

安田さんにも、コンセプト宿泊施設のアイデアを聞いてみましょう。

どんな宿泊施設が既存のホテルのマンネリ感を打破できるでしょうか?

 

安田佳生編:

安田

では私(安田)からも、アイデアを一つ。

それにしても、日本のアパートとは
イメージ違いすぎますね。
日本でアパートと言えば、
木造2階建+外階段、みたいな。

このサービスを日本でやるなら、
アパートではなく豪邸が必要ですね。

でも単なる豪邸では面白くないので、
豪農とか、豪芸術家とか、
豪茶人とかはいかがでしょう。

ホテルのようなサービスで、
豪邸に住みながら、
農業や、陶芸や、お茶を、体験する。

『住み込み・弟子入り』×『ラグジュアリーなサービス』
=ラグジュアリー弟子入り

こんな弟子入りなら、私もやってみたいです。

 

「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

 

著者情報

小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)

◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ
代表取締役社長
http://citation-sp.co.jp

◆株式会社シタシオンジャパン
取締役会長
http://www.citation.co.jp

◆株式会社 イー・ファルコン
取締役
http://www.e-falcon.co.jp

<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた)
・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった)
・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった)
・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった)
・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)

 

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