日曜日には、ネーミングを掘る #005 曇り空の下でのキャッチボール

#005 曇り空の下でのキャッチボール

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先週は、ネーミングやコンセプトづくりで
かかわった案件が、
いろいろと動いた1週間でした。

ちなみに上記の案件は、
すべて会社さんとの直取引。
プレゼン時に提案したネーミング案も、
entrie以外は1案のみです。
依頼金額については一概に高い低いは
言えませんが、一般的な
クラウドソーシングと比較して、
10倍~30倍といったところでしょうか。

クラウドソーシングと書きましたが、
私はもちろんこの仕組み自体を
否定する者ではありません。

使える資金が少なく、
クリエイターとのネットワークもない
中小企業や個人にとっては
数万円の依頼金額で数百件もの
提案(アイデア)がもらえ、
選択できるのは嬉しいことでしょうし、
全国の埋もれたクリエイターたちに
チャンスを与える仕組みというのも
その通りなのだと思います。

ただし、私自身は
この仕組みに参加しようとは思わないし、
むしろ参加しないで済むようには
どうしたらいいかを考え、
努力してきたと言ってもいいでしょう。
私はそもそも競争が苦手で、嫌いなのです。

私には、クラウドソーシングにおける
企業とクリエイターとの関係が、
キャッチボールをせずに野球の試合に臨む
バッテリーのように見えます。

キャッチャー(企業)はピッチャー(クラウド上にいるたくさんのクリエイターたち)に向けて、サイン(依頼指示書)を出す。
サインに頷いたピッチャーたちは、
自分の持ち球を一斉にミット目がけて投じる。
キャッチャーはストライクゾーンに
入ったボールのなかから、
自分の気に入ったボールをキャッチする。

ストライク!

残りの数百個のボールは
転々とバックネットに前に転がる。

しかし、それらのボールは果たして
キャッチするに値しないボールなのか。
企業がキャッチしたボールは、
ほんとにストライクなのでしょうか。

私は、仕事の依頼(サイン)がきたら、
まず経営者や事業責任者と
キャッチボールをするようにしています。

ボールのやりとりを通して、
私は決め球を探し、相手である
経営者や事業責任者のみなさんには、
「頭の整理」「将来への道筋」
「事業への肚決め」「イケるという確信」
といった目に見えないものを
手にしていただけるようにする。

そして、これだと思うボールが見つかったら、
その1球に魂を込めて投げる。
冒頭で紹介した3つのネーミングも、
そうやって生まれたものです。

ビッグデータと人工知能の
掛け算によるテクニウムの進化は、
クラウド化に拍車をかけ、
企業とクリエイターのやりとりを
ますます効率化し、関係性を
ドライにしていくでしょう。

でも、そんななかで、
キャッチボールに価値を見出せる企業と
キャッチボールで価値を創り出せる
クリエイターこそが、生き残っていける。

希望を含めて、私はそう思っています。

1件のコメントがあります

  1. クラウドソーシングそのものではなくとも、「クラウドソーシングっぽい関係性」っていうのには結構出会いますね。そういう環境が好きな人もいるかもだけど、僕は嫌だなあ。

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