変と不変の取説 第65回「本当の味方は誰なのか」

「変化だ、変化だ、変化が大事だ」とみなさんおっしゃいますが、会社も商品も人生も、「変えなくてはならないもの」があるのと同様、「変わらないもの」「変えてはならないもの」もあるのです。ではその境目は一体どこにあるのか。境目研究家の安田が泉先生にあれやこれや聞いていきます。

 第65回「本当の味方は誰なのか」

前回、第64回は「一国一城の主、というプロパガンダ」

安田

いまの日本はアメリカの属国だって話ですけど。

はい。

安田

じつは卑弥呼の時代から、中国皇帝に「この国を収めていいぞ」って金印をもらったましたよね。

まあ、その頃は中国の属国みたいなものだったでしょうね。

安田

ですよね。ずっと漢字も使ってきたし。中国の一地方的な感覚もあった気がするんですけど。

あったでしょうね。貢物なんかを持っていって。

安田

その頃は中国に搾取されてたと。

いや、日本から貢物を持って行くじゃないですか。すると、その何倍もの貢物を持って帰ってくるんですよ。

安田

え?どういうことですか。

それによって「国のデカさの次元が違うよ」って見せつけるんです。

安田

なるほど。中国からいろいろ持って帰ってきて、それを見て力の差を痛感してたと。

はい。中国は次元が違うと分かっていた。中国には世界の物が入って来ますから。

安田

中国ってユーラシア大陸にある大国ですもんね。ヨーロッパまで歩いて行けるし。

じっさいシルクロードなんかで繋がってましたから。

安田

そう考えたら中国人に「日本のパクリだ」とか言うのって、おこがましいですよね。

日本の方がはるかにパクってきてます。

安田

「お前達は漢字をパクったじゃないか」って言われるらしいですよ、中国人に。返す言葉もないですね。

仏教もそうですし。

安田

中国の人は奈良が好きらしいんですけど。奈良って昔の中国にそっくりなんですって。

今はなき昔の中国の面影があるみたいです。

安田

やっぱりルーツは繋がってる。

律令制度だって中国のパクりですから。昔は何もかもって感じですよ。

安田

そうですよね。日本は今やアメリカの傘下に入って、ちょっと中国を見下してる感があるじゃないですか。

ありますね。

安田

中国人からしたら許せないんじゃないかっていう。色々教えてやったのに。端っこの国だったくせにみたいな。

たった数十年「ちょっと伸びたぐらいで何言ってんねん」みたいな。

安田

アメリカとくっついたのなんて、戦後やむなくって感じですもんね。

敗戦で仕方なくでしょうね。

安田

それが今では、もうアメリカから離れては生きていけない。

ですね。

安田

日本のパートナーは当然アメリカだって、みんな信じ込んでますけど。歴史的にも地理的にも中国の方がずっと近いんですよね。

ただ日本はアメリカの占領を受けていましたので。アメリカナイズされたわけですよ。

安田

中国とも断ち切られちゃった?

はい。「それじゃあかんぞ」ってことで新しい勢力を作ろうとしたのが田中角栄。

安田

なるほど。

田中角栄は親中派なんで。小沢一郎もそうですよ。

安田

そうなんですか。

はい。でもロッキード事件でやられちゃったわけです。親中派の人は全部やっつけられた。だから今、自民党の中では親中派がいないんです。

安田

親米じゃなかったら政権与党になれないですもんね。

はい。親中派の人がいなくなって中国との関係が薄くなった。

安田

それも残念ですよね。なんだかんだ言って偉大な国ですよ。

今はちょっと難しい距離感ですね。

安田

尖閣島の周りに中国船が来たら「そら攻めてきたぞ」ってなりますから。

今はそういう認識ですね。

安田

いつ攻められるか分からないので、アメリカとの同盟は絶対だし。自前で武器を揃えろってことで、アメリカのお古の武器ばっかり買わされてる。

実質的にはアメリカの属国なので。

安田

でも最先端の武器は売ってくれないじゃないですか。

最先端は全部自分たちで抑えてる。当たり前ですよ、そんなの。

安田

結局、日本人が中国を嫌ったりするのって、全部アメリカの策略なんじゃないかって気もするんですけど。

中国が日本を嫌うのも同じですよ。アメリカが後ろで糸を引いてる。

安田

やっぱりそうなんですか。

私はそう思いますね。真実は誰にも分からないですけど。

安田

歴史的背景を考えれば、アメリカとの付き合いなんてつい最近ですよ。

そもそもペリーに無理やり開国させられたから。

安田

ですよね。それで戦争をしてコテンパンにやられて、未だに基地まであって、高い思いやり予算を払わされて。

原爆まで落とされて。恨みこそすれって感じだと思いますよ、本当は。

安田

そう考えたら中国って、何もひどいことしてないですよね、日本に。

日本が攻め込んで満州国を作っただけ。

安田

ですよね。中国人に酷いことをされたわけではない。逆に色々教えてもらってる。

残留孤児も育ててもらってますから。

安田

日本が中国を嫌う理由があるのかなって。冷静に考えたらアメリカ人の手の平で踊ってるだけじゃないのかって。

ただ中国も韓国も「反日教育」をやっちゃったので。「敵を作って国を統一させよう」ってやっちゃった。

安田

なるほど。それはありますね。確かに。

反日反日って言うから「こっちも嫌い」みたいになってしまってる。

安田

共産党による支配がこれだけ強いのに、反日って言い続ける必要があるんですかね?

力でまとめてるだけなので。根っこはそんなに強くないんですよ。だから国の政策で「反日思想」を洗脳してる。

安田

共産党が1党支配を続けるためには、敵が必要だと。

はい。国内ではなく外側に敵が欲しい。

安田

じゃあ共産党の支配がある限りは、日本が中国と組むことはあり得ない。

やっぱり政治体制が違いますもん。根本的な思想が違います。

安田

もし中国が民主化されたらどうですか?くっつく可能性はあるんですか。

あるんじゃないですか。ただアメリカは黙ってないでしょうけど。

安田

アメリカは中国とくっつかれたら困るんですか?

そりゃそうですよ。日本はアメリカの利権ですから。

安田

じゃあ本音では中国が民主化することは望んでない?

民主化したらもっと爆発的に成長しちゃいますから。そんなことアメリカは望んでないでしょうね。


場活師/泉一也と、境目研究家/安田佳生
変人同士の対談


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第1回:「変わるもの・変わらないもの」
長い間、時間をかけて構築された、感覚や価値観について問い直します。

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