第16回「自分だけのミライの縄張りをつくる2」 

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 16  自分だけのミライの縄張りをつくる2

2020年6月のテレワーク実施率は25%だそうです。
「満員電車なんてバカバカしい。テレワークしている会社に転職しよう」と考えている皆さん! ここはむしろ、転職サービスの新しいビジネスを見つけませんか?


■未来コンパスが指すミライ

前回に引き続き、商標のデータから まだないミライのコンセプト/権利の空き地を探します。今回のテーマは転職サービス。
次の表は「人材紹介・職業あっせん」の役務をカバーし、かつ、「work」の文字を含む商標の一部を整理したものです。

注目するのは「期間」カテゴリー。
記載のある「shotworks」は、短期アルバイトの求人サイトです。人材紹介ビジネスで「期間」というと、「仕事・会社に携わる期間」が長いか短いかというのが一般的な論点です。他方で、自身のキャリア全体を考えると「期間」の意味が変わります。

日本の就活では、新卒で有名企業に入社するには超難関大学の学歴が必要です。
しかし、中途採用となると学歴の比重がビックリするほど下がります。新卒の時は、東大、京大、早慶しか採用しないような企業に、中堅私大の同窓が中途採用されたりします。
皆さんも思い当たりませんか?

私は有名企業至上主義者ではありません。が、そこを目指す層は今後も一定数かならず存在し、そこにビジネスチャンスが隠れています。

たとえば、就活から始まり有名企業に就職するまでをゴールにする5-10年の「長期間」サービスはどうでしょう。目の前の就職だけがゴールじゃない、キャリアを共に作り上げる仕事です。
中間の企業にとっては、育成して巣立たれるとメリットがありません。サッカーチームの“移籍金“のような育成企業にお金が落ちる仕組みが必要でしょう。
紹介先から転職することが前提ですので、「人材紹介」のみのサービスですと倫理的な問題が生じますが、「キャリア伴走」と組み合わせた切り口なら受け入れられるでしょうか。
企業間で人材をシェアし合うサービスがすでに出始めていますので、倫理感も変わってくるかもしれません。

このように、知財のデータを整理して、権利の空き地から「期間」にまつわるコンセプトが見えてきました。
整理の仕方は人それぞれ。皆さんなら、どのようにカテゴライズし、どのようなミライのビジネスを見つけますか。そこをカバーするネーミングを権利で押さえれば、そこがアナタの「小さなブルーオーシャン」です。

 


 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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