コミュ障経営者のギモン その11「アフターコロナを考えよう」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

アフターコロナを考えよう

以前、リモートワークについてこのメディアで書きました。
その頃から比べると、リモートは益々推奨され、不慣れな方々も使い始めましたよね。
Zoomなどのツールを使った会議、セミナー(ウェビナー)やオンライン飲み会も随分浸透してきました。
また、多くの人がアフターコロナを考えているわけですが、まず大前提として、「一旦変わった環境は(それが便利であればあるほど)もとには戻らない」ってのがありますよね。

例えば、「リモートワークで十分できるじゃん♪」となったときに、今までと同じ働き方に戻るのか?と。
「オフィスに行く必要ないじゃん」ってなったときに、経営者側からすれば「スタッフはオフィスに戻ってきてくれるだろうか?」って考えるかもしれない。
一方、そんな経営者も「スタッフが出社しなくても仕事が回るのなら、オフィスの役割って一体何なんだ?」って考えることになってくる。
こんな風に色々変わると思うんです。
考えるきっかけを与えてくれるっていうか。
で、極論、「オフィス無くてもいいじゃん!」という会社が多くなったら、不動産業界にも大きな影響がありますからね。

さて、同じ様に、不可逆なものって今までもたくさんあったと思うんです。
例えば、スマホ。
これは便利ですけど、その以前は携帯電話(ガラケー)があって、その前はポケベルの時代だったり、さらに前には黒電話ってのがありましたよね。

ちょっと話それますが・・・
電話番号のアイコンに未だに黒電話を連想させるものを使っている会社がありますけど、あんな電話使ってませんからやめたほうが良い気がします・・・
電話=黒電話って時代じゃないですからね。令和ですよ、今。
試しに弊社の新卒のスタッフ(20歳)に「黒電話って知ってる?」と聞いてみたところ、「知っているけど、使ったこともないし、どうやって使えばいいか分からない」とのことでした・・・
博物館で見る代物と同じだそうです。

ところで、「カメラを撮るポーズ」ってありますよね?
ちょっと想像してみてください。

・・・

両手でカメラを持ち、
それを顔の前に持ってきて、
片目でファインダーを覗き、
シャッターに指を添える。

・・・って思った人いますよね?
きっと違うんです、今は・・・というか随分前から。
ディスプレイ付きのコンパクトデジカメが一般的になり、スマホのカメラ機能が向上してから、カメラを撮るポーズは明らかに変わりましたよ。
大正や昭和でお亡くなりになったご先祖様、大先輩方からしたら、「あいつは何をやっているんだ?」ってポーズがカメラを撮るポーズなわけですから。

・・・なんか、勢いで脱線しましたが、スマホのカメラ機能が飛躍的に向上してそれを知ってしまってから、ガラケー時代のカメラには戻れませんよね。
もちろん、よく言えば味わいのある写真はどれるでしょうけども、Tiktokはできませんから。

スマホ決済も便利ですよね。
僕なんて、家を出たは良いが、現金やクレジットカードを忘れてしまって・・・そうなるとスマホ決済が出来るお店を選んで入らないといけないわけです。
僕みたいな人はこれから増えるでしょうから、お店側としては手数料がどうのって言ってられませんよね。
「スマホ決済が無いから」という理由で選択肢から外れるわけですから。
かなりのチャンスロスになっているんです。

カメラの話が出ましたが、フィルムカメラとか今でも使っている方もいらっしゃると思うんです。
ただ、全体からするとやっぱりごく一部の方なんですよね。
僕らもカメラマンさんとお仕事をしますが、一般的な現場(仕事)では、仕事のフローの至るところがデジタル化されています。
そしてその恩恵として、作業スピードは上がり、コストも下がってきました。
そんな環境で、フィルムカメラのように現像まで時間がかかる、フィルムのコストがかかる、写真の管理や共有も大変・・・となると、とても戻れませんから。
フィルムカメラの味わいや、現像までのワクワク、ひと手間を、自分だけで楽しむという、ある種の余裕の部分があることで、可逆はあり得るのかもしれません。

デジタルカメラで撮影した写真を保存するオンラインストレージサービスも便利で、これが無かった頃には戻れません。
膨大なデータをどうすればいいんだ?って途方にくれますよね、きっと。
環境が完全に変わってしまっているので「戻れない」んですよね。

カメラの例で「余裕」って言葉を使いましたが、わざわざ不便なアウトドア生活をしたりって、余裕がないととてもできませんよ。
語弊を恐れず言えば、縄文時代の家みたいなところで宿泊するわけじゃないですか。(キャンパーの皆さん、すいません(汗)極端な例えをしております・・・)
こういうのって、不可逆の恩恵、つまりライフハックで得た余裕を使っていると思うんですよね。
キャンプに出かける時間をライフハックで捻出していると考えたら。
さらに縄文時代とまでは言わないまでも、キャンプって、自炊するにも不自由な環境の中で食事を用意したり、色々面倒臭い状況ですよね。
「その不自由が良いんだよ」って話なんでしょうが、それはライフハックの余裕があるから感じられることですよね。
縄文人が聞いたら代わってくれよって言われちゃうかもしれません。

ところが、アウトドア生活をしたとしても、そこで使うアウトドア用品も進歩しているわけで、ここは不可逆なものだと思うんですよね。
例えば、「あの軽さでこの温かさ!って道具が出てきたりするわけですから。
その不可逆の恩恵が。さらなるサバイバルへ挑戦させてくれるわけです。
ところが、今でこそサバイバルって言いますが、普通の人がそう感じることって不便の範疇で、昔の人達にとっては日常だったりするんですよね。
せっかく出来た余裕で、可逆できる不便に向かうなんて、人間って変な生き物ですよね。

じゃあ、不可逆の恩恵(ライフハックなど)によって得た余暇、余裕で、僕らは次にどんな可逆を見つけるんでしょうかね?
僕らはどこへ向かい、そして、どこへわざわざ戻るのか?
アフターコロナのヒントになりそうですよね?キリッ!

・・・アフターコロナ、僕は何をやったら良いか、誰か教えて下さい。

 

著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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