コミュ障経営者のギモン その24「言葉の不思議、『う◯こ』なら良いのか!?」

 このコンテンツについて

なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

言葉の不思議、「う◯こ」なら良いのか!?

先日、全体朝礼時に

「やりがい」や「モチベーション」という言葉は大嫌いです!

という話が社員さんから出たんです。
社員さんからこうした発言が語気強めに出ると動揺する経営者も多いのではないでしょうか?

・・・と言うか、よく考えたら、週初め月曜の全体朝礼でこれが出てくる会社ってすごいね。
ヤバいのかな(汗)
えー、これでスタートを切れる会社、いかがでしょうか?
確かWebディレクター募集中だったはずですよ。
ご興味のある方、是非。

まぁ、よくも悪くも、僕ら経営陣は「なるほどねぇ〜、そういう考えもあるよね」って思っちゃうタイプだから、「何を言ってるんだ君はッ!そんなこと朝礼で話題にするかッ!?後で社長室に来なさい!」ってならないんですよね。
そもそも社長室とかないし、フリーアドレスだし、リモート可だしね。

ところで、そんな風に言ってる彼らを眺めていると、「やりがい」や「モチベーション」と縁遠い思考言動をしているようには見えなかったりします。
なんだったら、僕の方がダラダラ仕事してたりして、いわゆる一般的に「モチベーションがあがらねーわ」状態になっていることが多いくらいですからね・・・
集中力無いし、何かやってると他の事が気になってきちゃうんですよね・・・

じゃあ、僕より「やりがい」と「モチベーション」を持ってやってるように見える彼らは一体何のことを言ってるんだろうな?って思ったんです。

ある社員さんは「やりがいで釣るようなやり方は嫌いだ」って言ってたんです。
極論言えば「この仕事にはやりがいあるんだから、給料安く、長時間労働でもいいでしょ!?」みたいなのが嫌だ、と。
やりがいと待遇・環境が、まるでトレードオフの関係のように、雇用者側に都合よく使われるケースって確かにあるかもですね。
(彼が弊社のことを言っていないことを祈るばかりです(汗))
そういう使い方をされると、「やりがい」って言葉も嫌いになっちゃいますね。

あと、そんな弊社の社員さんですが、それなりに高い「モチベーション」を持って作業をしてるように見えるんですよね。

ところで、「今日はなんだか“モチベーション”が上がらなくて・・・」って便利な表現がありますよね。
こっちからしたら、「だからどうした?」って感じなんですけど、妙にもっともらしさを漂わせてくる、みたいな。
例えば、その社員さんは、モチベーションって言葉を都合よく使っている人や企業が嫌いなのかもしれませんね。
「プロである以上、結果がモチベーションに左右されるというの駄目だ」みたいな。
いやぁ、だとしたら素晴らしい社員さんですよね。

・・・ところで、「モチベーション」ってなんなんだ?

(1)動機を与えること。動機づけ。誘因。
(2)物事を行う意欲。やる気。

・・・広辞苑によると、こんな意味。
となると、モチベーションは下記のように言い換えられることになりますよね。
「今日はなんだか“意欲”が起きなくて・・・」
「今日はなんだか“やる気”が出なくて・・・」
・・・かなりストレートな表現になりますね。
こんなこと部下が言い出したら、「テメー、ふざけんな!帰れ!」って思っちゃう人いますよね?

モチベーションを便利に使ってた人たち死亡・・・みたいなね。
言葉が置き換わるだけで随分と印象は違うもんですね。
例え類義語だとしても、こうも印象が変わるなんてね。
僕ら、辞書にある意味以外にも、勝手に都合の良い(悪い)意味合いを付けちゃってるんですね。

そう言えば、このメディアを主催している安田さんと話してたときのことなんですけど・・・
安田さんっていつも冷静沈着、というか感情があんまり表に出ないんですよね。
僕の勝手な印象かもしれませんが、「ウェーイ♪」って印象はないですよね、きっと。
ところが、会話の中で「理念」という単語が出た瞬間、ほとんど動きの無かった安田さんがビュッて動き出すんですよ。
「理念なんて要りますか?」って具合に。
ちなみに何度か試してたんですが、「理念」と「社員を雇う」という2つに対してはすごい反応速度でした。

前述の「やりがい」や「モチベーション」のように、「理念」という言葉にも引っかかるのかもしれませんよね。
僕が使っている「理念」には無い意味合いが加えられているとか。
そうなると、理念という言葉ではない表現、例えば・・・
「う◯こ」・・・とかならまた違ったかもしれません。
「弊社の“う◯こ”は笑顔創造なんです!」みたいな。
そしたら、安田さんも「あぁ、良いう◯こじゃないですか!私も好きですね、そのう◯こ」っておっしゃったかもしれません。

・・・

もうちょっと良い例があったんじゃないか?って思いますよ、僕だってね。
こういうとき、「う◯こ」とか「ち◯こ」とかしか浮かばないってどういうことなんですかね。
こんな大人になるはずじゃなかったんですけどね・・・
どこで間違ったのかな・・・

 

著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

感想・著者への質問はこちらから