コミュ障経営者のギモン その32「たまには真面目に…インナーブランディングの取り組み」

 このコンテンツについて

なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

たまには真面目に…インナーブランディングの取り組み

今回はね、ちょっと真面目な話をしようかなって、そう決めてます。
やっぱり、32話も続いているわけですからね、たまにはね。
「一応、会社とか経営しちゃってるんだぞ!」ってことをドヤろうかなって。
「それもブランディングエージェンシーなんて名乗って、中小企業のビジョン達成のお手伝いをさせていただいているんだぞ!」ってね。

でね、今回は経営やそれに準ずる人にとっては、もしかすると(普段僕がブツブツ言っているどうでもいい話よりは確実に)実りある内容になっているって思うんです。

それは・・・

インナーブランディングの取り組みです!

・・・なんやそれ?

まぁ、色んな定義はあると思うんですが・・・
僕らはブランディングを「戦略的な印象操作」って説明してるんです。
印象操作を行う対象が社内ってことですね。
なんかそれ言うと元も子もない感じですけど(汗)
わかりやすいかなって。

インナーブランディングでは、会社のことをスタッフにより正しく理解してもらうことも大事になってきます。
そのためにスタッフとコミュニケーションをとらないといけないんですけど、その方法をご紹介しようかなって。
やりようによっては、楽しく続けられるのでおすすめです。

それは・・・

朝礼

です。

もったいぶったくせに大したことない、って?
随分古臭いことやってるなぁ、って印象かもしれませんね。
でも、弊社では、これを毎日やってるんですけどね。

月曜は全体朝礼、それ以外は朝礼liteってことでカジュアルな内容になっています。
今回は、全体朝礼のコンテンツの一つ「あなたの話を聞いてみたい」についてご紹介したいと思います。

これは、当番制で回ってくるファシリテーターが、自分が気になるスタッフを予め指名して、用意した質問に答えてもらうというものです。
例えば、部署の違う同僚が、
毎日何をやっているのか?
何にやりがいを感じているのか?
どんなことに苛立ったりするのか?
って案外知らないんですよ。
このコンテンツは、仲間の仕事内容や仲間のことをもっと理解するというのが目的です。
ピックアップされた人は、朝礼のその時間、スポットがあたるような感じになり、注目を集める主役になれますしね。

先日、僕は社長を指名して、いくつかの質問をしたんです。
スタッフからすると社長の意外な面がわかったりして、好評でした。
うちの社長ってお坊さんの家系で、顔も性格も温厚なんですよね。
例えば、「娘さんを僕にください!」って言われて、断る理由を探すのに苦労する感じ。
僕なんて、断る理由を考えるまでもなく、「ふざけているのか?」って真顔で言われますよね。
まぁ、そんなまともな社長で、苛立ったり、怒ったりしないって印象なんですよね。優しいしね。
でも、実際のところ、スタッフに比べて、ストレスを抱えることも多いはずです。
だから、「ストレスとどのように向き合っているのか?」って聞いたんです。
彼ならスタッフにも有益な返しをしてくれるはずだ!って思ってね。

彼はストレス下において、心身を健全に保つ方法として

・感謝する
・何も考えない時間

を伝えてくれたんです。

・感謝する
お坊さんの家系っぽい感じですが、毎日のちょっとしたことに感謝する気持ちでいることは大事だよ、と。
確かに、ブツブツ文句言っている人なんかは、自分で怒ってより一層イライラしてますからね。
「感謝だなぁ」って気持ちでいる人との差は歴然ですよね。
周囲に与える印象、影響も全く変わってきます。

・何も考えない時間
社長という立場上ついつい何かを考えてしまうし、それでなくても情報が無意識に入ってくる社会なので、あえて何も考えない時間を設けているということでした。
瞑想とまではいかないけど、1日に1回、ゼロにする、リセットする時間を設ける、と。
僕も格闘技(「空道」って武道です)やってるときは、疲れて無になるときってあります。
こういう時間って大事ですよね。
ただ、僕の方法のデメリットは、瞬間的でも極限の疲労が必要ってことですが・・・

社長からこういうことを聞いたスタッフは「超人に思えた社長でもそんなことがあるんだ」「普通の人間なんだ」って感じられて、親近感もわいたようです。
また、「感謝する」や「何も考えない時間」についても、直ぐにできそうだから実践してみようってスタッフもいました。

いかがです?

古臭い朝礼も、やりうようによっては結構楽しいし、効果有りそうでしょ?
ちなみに、インナーブランディングを意識した弊社の朝礼は、強烈に「理念」を意識したものになっていて、朝礼コンテンツの全てが理念教育につながるようになっています。
社長も含めて、自社の理解を深めるために、日常からさり気なく理念にふれる機会を設けているってことなんです。
そう、これがブランディング(戦略的印象操作)なのです!ドーン!

ちなみに、以前、このメディアに寄稿した『できないことが、できるようになる』って記事でも朝礼について触れましたが、実はその当時から内容もブラッシュアップされています。
というのは、朝礼には目的がありますよね。
目的無しに闇雲に朝礼っぽいことをやるとブレてきたり、取り敢えずやってる感が強くなり、スタッフにはやらされ感が出てきますから、絶対に失敗します。
達成状況、つまり組織の成熟状況によって、内容を定期的に見直すことをおすすめします。
そもそも、同じことを続ければ飽きてきますからね。
僕なんてその際たるものなんで、自分で言い出したくせに一番最初に飽きてますからね・・・

そんな飽き性の僕と話してたスタッフの最近の反応・・・

なんかムカつきますね。
藁人形に釘を打ちつけたくなってきた。
頭おかしいんじゃないですか!?

・・・ってことでね・・・なんというか・・・
言いたい放題!?・・・みたいな。
「創業者(代表取締役会長)との距離が近い会社ってブランディングをしているんだ!」って自分自身に言い聞かせて心を落ち着かせています(涙)

著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

感想・著者への質問はこちらから