【読むPodcast | マネトレ17-後半】大久保圭太の「財務アタマを鍛えるラジオ~マネトレ~」第77回

投資の話題が続くマネトレ!M&Aの話をする前に、前半では会社法に触れつつ、雇われ社長の借入と連帯保証について話が膨らみました。会社を乗っ取られた図式になると、連帯保証は高い可能性で外れるというところから始まる後半。ライフプランを描くなかで、M&Aもひとつの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。(前半の記事はこちら)(音声はこちら

>>>大久保圭太氏のプロフィール

大久保
そうするともう第三者になるじゃん?会社を乗っ取られたっていう絵を描いちゃえば……みたいなね。
円道

そうしたら単なるいったんニートになれると。

大久保

そうそうそうそう。憧れのニートになれる。ニート株式会社にぜひ(笑)

円道

ニート株式会社は若新さんだと思うんですけど(笑)

大久保

ちょっとずれちゃったけど、要するに株主としてそれ言ってんのか、経営者として言ってんのか、労働者として言ってんのか、全部がごっちゃになってんですよ。もし株主でね、自分の会社でいいですよ、金出してるから。株主は何したかって、金出した人ですから。で、株主は経営者に儲けてもらわなきゃいけないんですよ。会社は株主のものだからね、金融資本主義で言えばね。だから、なんで純資産大きくしなきゃいけないんですか?っていうのは、同じ人だからあれだけど、経営者は株主の配当を多く出さなきゃいけないんですよ、金融資本主義ではね。だから節税とかじゃないはずで。

円道

ああ、なるほどね、本来ね。

大久保

そう。で、経営者は優秀じゃなかったら切られるわけだから。株主は優秀な奴を経営者に置けばいいんだよ。自分が労働者として優秀なら、誰か経営者を持ってきて、優秀にマネジメントできる奴を置いてもいいんですよ。っていうのが分けて考えないといけないなと思ってて。

円道

つまり、経営者の財務としての話を今まで結構ずっと多くしてきたのが、今回はオーナーとしての資産とか投資というような観点のお話なわけですね、今日話してるのは。

大久保

そうですそうです。永遠にはやっぱ経営できませんから。後継者不在という、その辺の問題はあるよね。だって、べつに自分がオーナーで経営権渡しても良かったわけだからね。それで10年とかかけて育てるべきだろうしね。

円道

なるほど。

大久保

で、そういう観点から見て、もう1個の種銭の作り方は、自分の会社が高く売れるっていうことだよね。そうすると配当で、要するに株価がちょこちょこ上がって……っていうより、自分の個人資産の確変を起こすには、個人資産を増やせる一番の商品だと思うんだよね。商品であり会社の資産。だから、変なサングラスあるけど、サングラス作ってるよりも変なサングラス作ってる会社のほうが高く売れるでしょ?

円道

ええ、ちゃんとやってれば。

大久保
そうする為にも財務をちゃんとやって、確変を起こすために会社側で調達して事業投資してデカくすると。さらに個人資産の確変を起こすにはM&Aですね。まあ、IPOでもいいんでしょうけど、なかなか……ね。
円道

時流もありますからね、IPOは。

大久保

うん。なので、今で言ったらそうでもないのかなあと思うから、そうするとやっぱM&A。買いたい企業いっぱいいますから。それこそ上場してる企業は業績伸ばすために色々買ってますから。

円道

たしかに。M&Aって意外と、会社あれですけど、希望出すと一瞬で何十社ってフワって。

大久保

そうです、今は。

円道

ですよね。

大久保

やっぱり1個しかないから価格は他に引っ張られないっていうかね、候補会社に売りたくなかったら売らなきゃいいわけで。

円道

たしかにね。

大久保
で、ダメになったら売れなくなるから。やっぱ売りたくないときが一番高く売れるってことだよね。自分でやってて楽しいじゃないですか、これから伸びるし、そういうときは他の人たちも楽しいんで。そういうときはのれんとかが付きやすいよね。売ると「会社売ってどうすりゃいいんですか?」っていう……
円道

IBMがパソコンの部門を手放したときの、あの感じですね。

大久保

ああ、そうそうそう。

円道

売るの!?おぉ、そこで売る!?みたいな。超早ぇっていうね。

大久保

そう。で、その後どうしたらいいか分かんないから、それはただ株主じゃなくなっただけだから。ひとつは個人資産を何で運用するか、要するに、えー……

円道

おぉ、話がやっと戻ってきた!

大久保

いやいや、全部繋がってるんだけど。

円道

やっと戻ってきたぞぉ~

大久保

個人資産で、要は種銭作って利回り良いものに対して、複利で回していくっていうことになれば、複利じゃなくてもやっぱ時間が必要なんですよね。要するにリスクが低くなってる分リターンも自分で事業やるよりは低い可能性が高いと。だから早く売ってもいいってことだよね。早く売って、それはそれで自分の個人資産は運用して増やしていきますよと。やっぱ金利っていう発明品があるからね。

円道

ええ、n倍化していきますからね、複利計算で。

大久保

そうそうそう。これで複利で回していきますよっていうのと、その会社の経営者をやるっていうのは、要するに会社を買った株主がその会社の経営者は今の社長がやってるほうが適格だと思うんであればやらせますから。会社から役員報酬をもらえばいいですよ。だって、今みなさんがもらってるのって多分役員報酬だけだから。まあ、配当ももらってる……ことはないと思うけど。そうすると、キャッシュ化すんのがね…最後、下手したら業況悪くなって「売らなきゃ」みたいな感じで言われても、ほとんど個人資産なんかならないし、良いときに、しかも早くっていうのが大事で、時間軸じゃないですか。個人の投資もね。そうすると、早めにキャッシュにして回していくっていうことを考えてもいいんだろうなと。それが全てではもちろんないですけど、そのお金で運用もいいし、別の会社買ってもいいわけじゃないですか。その事業をやりたかったらやると。まあ、事業やりたかったらべつに経営者でどっか転職してもいいんですよね、上場企業の雇われ社長として。そういう色んな発想で考えて自分の人生を設計したほうが……っていうかしないと。これからは、なかなか長生きしそうだし。

円道

どれが答えかは……

大久保

あなた次第です。

円道

アウトカム次第だから。

大久保

そっち持ってきた(笑)

円道

いいですけど(笑)……次第だが、会社法とか仕組みのことをちゃんと考えていくと、よく言う「オーナーと経営者切り離して……」っていう発想でいけば、今みたいな……

大久保

やっぱね、会社法を読んだほうがいいよ。

円道

おぉ。会社法。

大久保

「サルでも分かる会社法」でいいけどさあ。

円道

書いたらいいじゃないですか。

大久保

え?

円道

売れそうですね。

大久保
いや、分かんないけど、そんなのでいいけど、「自分が今置かれてる所は何の権利があるのか」とか分からないと。「それは税理士さんに任せてます」じゃあさ。
円道

この間、弁護士の先生が紹介してましたよ、会社法。「取締役になったら『初めに』読む本」っていう、福崎先生という方がいらっしゃるみたいで。

大久保

全然知らないけどさ。

円道

この本読みやすいと聞きました。

大久保

向井先生?

円道

いや、違いますね。

大久保

違う?

円道

誰だったかな、言ってました。まあまあ、そんなものを読んだりしながらと。

大久保

そうね。ちょっと視座を上げると色んなことを考えられんのかなと思って。

円道

ちなみになんですが、最後に、そういう発想のもとでシンガポールでできた種銭を運用しようぜ、というような動きとかもあったりなかったりなんですか?

大久保

そうっすね。シンガポールだけじゃないけど、そっちに利益が出る会社があって、ちゃんと経営者がいて運用できるんであればね。値上がり益には課税されないわけだから、そっち側で回していって貯金するというか。で、どっかのタイミングで、ホントにどっかのオフショアだったりの居住者になれるんであれば、そのときに、変な話、利確する。利確っていうとホントね……流行って今年の流行語になんないかな、利確。利確ってあんま言わなかったよね、今まで。

円道

たしかに、利確したの、しなかったのって、ニュートラルに聞くようになっちゃいましたもんね。

大久保

そうそうそうそうそう。ね。

円道

というわけで、シンガポールの話を超えて、金融資本主義をどう活かして……

大久保

あ、でも、べつにシンガポールに拘ってるわけじゃなくて、やっぱ金融資本主義の色んな角度からの理解をして……。僕は好きではないけど、理解はしておかないとやられるから。

円道

社会のひとつの大きな仕組みですからね。

大久保

そうそうそうそう。なので、自分のちゃんとライフプランを作んなきゃいけない。

円道

似合わないな、ライフプランって言葉が(笑)

大久保

「おまえが作れよ」ってね(笑)

円道

(笑)まあ、という感じなわけですね。久々にというか、初めてですかね、この「投資脳」という観点から、もはや財務の話を超えたお話でしたが、ぜひ、ちょこちょこと。

大久保

これも財務ですよ。

円道

資産形成の話にも近かったですけど、また、ぜひとも、ちょこちょことやっていきましょう。

大久保

はい。

円道

というわけで、2回にわたってやってまいりました。本日もありがとうございました。

大久保

ありがとうございまーす。

感想・著者への質問はこちらから