【読むPodcast | マネトレ46-後半】「親子間の事業承継であるある話」第135回

さぁ、いよいよ財務アタマの本題!前半は与太話オンリー。でも、もちのろん、それだけでは終わりません。同業税理士さんからの質問に答えます。質問テーマは「事業承継のリスクが高すぎるクライアント(後継者)への説明」です。(音声はこちら

>>>大久保圭太氏のプロフィール

円道

ここまで、財務アタマ全然更新されなかったけどいきます!

大久保

はい。

円道

税理士です。父の税理士事務所で働いておりますが、後継者の相談にのっている中で、心の中では「絶対に継がないほうがよい」と思うクライアントが多数おります。理由は、おおむね財務状況が悪いからです。このような場合、口の悪い大久保先生なら何とアドバイスをするのでしょうか。愛をもってご教授いただければ幸いです。ああ、質問の仕方わかってますね。

大久保

何が?ありがとうございます。いやあ、でも、あるよね。

円道

やっぱありますか?

大久保

会社継いでから相談来たりするケースが、ほら、年代的にはさ。それこそセミナーとかだと「先月継いだんですけど」みたいな。で、見ると債務超過とかで、「これ、なんで継いだの!?」みたいな。「いや、何年続く会社で」みたいな。「そういうこと聞いてないから」みたいな話じゃん(笑)本当にあるよね。「もしかして連帯保証変えた?」みたいな。「銀行に変えられました」みたいな。「変えんなよ」みたいな。「おいぼれ入れとけよ」みたいなね(笑)

円道

言い方ね(笑)お父さんね。

大久保

今日調子いいね、なんかね。酒入ってないよ(笑)

円道

ネタだらけですからね、今日は。

大久保

ネタだらけだね。いや、でもね、結構ここは気をつけなきゃいけないというか、何年続いてることに価値があると考えるパラダイムの人とさ。俺らからしたら目の前のB/Sじゃん、やっぱり。でも、法人が何年続いてるのが大事みたいなさ。

円道

まあ、でも、日本の価値観としてはあるんじゃないでしょうか。

大久保

ただ、べつに法人格がなくたっていいじゃん。その会社を継承していけば、みたいなところはあると思うんだよ。それがやっぱ伝わんないなっていうのが結構思ってて。この間も、お父さん亡くなって会社継いだんだけど、「いまやめたら借金返せるよ」みたいな。俺が珍しく借金って言うんだけど、ずっと利益も出てない……あ、これ、究和の何かのあれに書いたわ。

円道

ああ、マガジンですか?

大久保

マガジンに。

円道

CKマガジンですね。

大久保

うん。書かされた。ほんとストレス。

円道

クレームはあとで聞いときます(笑)

大久保

しかも締め切り後にね(笑)

円道

締め切り守らない。

大久保

赤字で「何とかします」みたいに言ってんだけど、「いまやめたらいいじゃん。なんで続けんの?」みたいな。ケンカになるよね。「は?」みたいな、「おまえ何言ってんの?」みたいな感じになるもん、やっぱり。そこは結構難しいよね。「親父のやった会社をなんで俺が継いだらいかんのや」みたいな。「いや、債務超過だからです。銀行支援してくれないですよ」みたいなのを、どう……。だけど、止めんのは止めてあげなきゃいけないじゃん、絶対。

円道

はい。

大久保

だから、「別会社たてて、お父さんの理念とか目的とか継いでやっていけば?」って。悪くなる会社をどう処理するかって問題はケースバイケースだろうけど、俺が一番怒らせたケースは、「クソ債務超過な会社なんだから」って言ったら、すっげえ怒られて契約切られたよね(笑)

円道

切られた!?

大久保

「クソ債務超過」って言って(笑)

円道

それは継いだ方に言ったんですか?後継?

大久保

そうそう。3代目だか4代目だかで、その会社がうまくいかなくて売ろうか売らないかみたいな話で、「売ってやってもいいけど」ぐらいなの。「そんなクソ債務超過な会社、買ってくれるとこがあるほうがありがたいと思え」っつったら、すげえ嫁がキレて解約。俺はホントのこと言ってるっていう自信があるから、うまく言う弁護士とかに、M&Aやりたいじゃん?だからそっちに持ってかれたけどね。ま、べつにそれでいいんだけどさ。

円道

まあ、でも、大久保先生としてはちゃんと……

大久保

まあ、それは失敗事例としてね。だから、言い方はかなり気をつけなきゃいけないけど、「なんで別会社でやっちゃいけないんでしたっけ」とか、違う視点で投げかけていくっていうか、何が何でも株式譲渡をしなきゃいけないのかって話じゃない?連帯保証を、お父さんがつくった債務の承継をなぜしなきゃいけないのかということも考えてもいいと思うんだよね。がっつり中に入ってたらわかんないけど、要するに事業を持ってっちゃったりしたら問題だけど、事業の中で、じゃあ、まあ、世代が違うから、たとえばWebの何かを、その会社のやつをやるとか、いろんなことで自分の事業としてつくれる可能性がないかとか、そういうのを考えていきながらだよね。

円道

株式譲渡をするだけが事業承継じゃないと。

大久保

うん。っていうことの可能性を、たぶん言ってもわかんないから。「やめたほうがいいよ」って言われても「いやいや、親父の会社は」ってなる。「会社を売るなんて」っていうパラダイムだから。それは悪いことではないんだけど、ただ、財務的にそれがその人の人生をね……貧乏ゆすりうっせーな(笑)

円道

貧乏ゆすりしてないですよ(笑)

大久保

え、揺れてない?なんか。

円道

揺れてる?あれ?

大久保

まあいいんだけど。

円道

してるかも(笑)キレる。

大久保

(笑)だから、その人の人生変えちゃうじゃん?その債務継いだことによって。だから「ホントにそれやったほうがいいの?」っていう話は、やっぱ、それ言えんの税理士だけだと思うんだよね。

円道

たしかにね。

大久保

ね。しかも同じ年代じゃん?後継者だったら。

円道

うん。

大久保

ということは、やっぱ、やってあげたらいいんだろうしね。あと、子どもの能力がないから継げねえんじゃね?っていうのもたぶん出てくると思うんだよね。

円道

それ、結構往々にしてあるんじゃないですか。

大久保

あるよね。

円道

ただ、その方がその時点でちょっと厳しくないかっていう話と、ホントにそもそもヤバくねえか?とか、いろいろあるじゃないですか、そのパターン。

大久保

あ、いまじゃなくて成長すればでいいっていうか。

円道

そうそう。可能性もあるし。

大久保

ああ、なるほどね。まあ、そうだよね。でも、やっぱ「ぜんぜん無理だな」っていうやつもいるじゃん(笑)

円道

そういうときは?

大久保

もうM&Aを提案するよね。

円道

やっぱ結構しますか?そのときは本当に。

大久保

するする。べつにその子ができないというか、「割とつらくね?」って話をする。「親父見てると大変くね?」っていう。「あれ、おまえやんの?」みたいな。「だって、もう、お父さん70でまだやってんだぜ」みたいな。「この会社、こんぐらい売れたらさ」みたいな。

円道

でも、そのとき必ずどっかのタイミングで先代のほうと相違するわけですよね。もしM&Aとかになった場合は。

大久保

うんうん。

円道

そこのまた…大久保先生がうまいからね、実は。

大久保

それはでもね、息子の実力ぐらいわかってんだろ、さすがに。そしたら、なんとか家が幸せになるみたいな種銭で運用していったら資産家になれるじゃん、億単位でやるからさ。っていうのは割とそっちは……まあ、半々かな。やっぱ財務目線で見てないから、そもそもB/Sとかぜんぜんわかんないから、そういう判断になっちゃうんだなっていうのは思うよ。基本に立ち返って、やっぱ決算書をちゃんと説明してあげるっていうか。

円道

なるほど。ただ、そのときの表現は……

大久保

まあ、そうだね。でも、「ここでこうやったら、時価こうだから、これ売ったらどうだよ」みたいな話をちゃんとできるじゃん。「これ以上借金増えたら、もう返せなくない?」って言ったら「ああ」ってなるじゃん。

円道

B/Sのファクトベースでちゃんと伝えると。

大久保

そうそう。普通の仕事になるんだけど、でも、ちゃんと言わないと、「お父さんのとこ継いだから大変で偉いね」とか、そんなこと言ってる場合じゃなくてね、「この財務引き継ぐんですよ」って話をしていかなきゃいけないっていう。だから、「決算書は三角で分かる」っていう本を読めばね……あ、「財務諸表」か。タイトル忘れちゃうからな(笑)

円道

大久保先生の書籍ですね。あと、財務養成講座もあるんでね。この方、税理士なんですよね。

大久保

ああ、そうね。

円道

そういうのも結構いますよね、税理士の先生。

大久保

いるいる、養成講座。

円道

税理士の先生が対象か。

大久保

そうそう。この間、募集で、財務屋の、普通のうちの採用サイトで募集してきて、返したら、うちの経営企画部が、実は会社をやってると、会計の。だから、税理士のライセンスはないけど、同じような仕事。

円道

財務コンサル的な?

大久保

そうそう。「だから、正社員にはなれないんですけど、大久保先生のとこで働かせてください」みたいな。

円道

どういうこと?それ。修行?

大久保

よくわかんないんだよ。変なやつが来んだよ。いま、そういうやつも1人来てるし。

円道

へぇ。でも、そう見えてるんですね。すごいですね、それ。

大久保

なんかね、急に来て。

円道

財務コンサルが学びたい税理士事務所。それは、でも、素晴らしいですね。

大久保

でも、彼らがやってくれればいいわけだから。俺1人じゃできないから。お客さんを守ってくれる、ちょっといい話が。

円道

そういうのは私の仕事なんで、自分で言わないで(笑)

大久保

あ、そうか(笑)いや、まとめなきゃなと思って。相当長かったなと思って。

円道

あ、そうですね。というわけでね、非常にアドバイスいただきました。養成講座もぜひ。

大久保

はい。ぜひ、お待ちしてます。

円道

本日もありがとうございました。

大久保

あざーす。

円道

あざーす?(笑)

大久保

ふっはっは(笑)

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