【読むPodcast | マネトレ70-後半】「コロナ危機対応を振り返る」第182回

この2か月間の資金調達振り返る後半。保証協会の様子などなど。最前線の税理士さんしかわからないことをぶっちゃけます。(音声はこちらから。)

円道

調達は、保証協会側が忙しいのでスピードも上がんないのか。

大久保

その前にセーフティとか危機関連を取らなきゃいけないじゃない?それが市区町村とかだから、そこもまた忙しいし。まあ、急かせば当日もらえたりとか、地方によっては銀行が代わりでやってくれたりするみたいなんだけど、俺、そんな焦ってないから5月の頭に……「4月の売上がさがった」って言って4月の半ばに出したら、「4月の申請は5月からです」って突き返されて、5月1日にもう1回出したら、11日かな、10日ぐらいたって、まあ、連休もあったからだろうけど、それで返ってきたっていう感じかな。それ取れたんで、ホントに今日、保証協会のセーフティに申し込んで。ただ、「そんなにお金いります?」って言われちゃいそうっていう。

円道

それは持ちすぎだからですか?

大久保

持ちすぎというか「借りすぎでしょ」みたいな(笑)。「そんなホントは悪くないでしょ?」みたいな。でも、わかんないじゃん?だから行ってんだけど。でもね、普通の通常枠の弁済に使っちゃいけないんだよ。俺、3月に通常枠を普通に申し込んじゃってて。人のことをやってると、自分のことをあんま考えないからさ(笑)。通常枠は有利子なんだよね。で、有利子の……

円道

ちょっと待ってください。通常枠は有利子?

大久保

そうそう。

円道

そりゃそうですね。

大久保

それが今回のセーフティ4号と危機関連とか、5号かな、そのへんが無利子になったから、本来そっちの枠を使いたいじゃん。

円道

ですよね。

大久保

そっちの枠を使って調達したいけど。だから、支援が必要な会社はもちろん両方借りれるんだよ。だから、俺もそれをホントは狙って通常枠を1回増やしてというか、マックス借りて、で、別枠マックスいこうと思ったんだけど、「通常枠で足りてません?」みたいなことを聞かれそうで。

円道

(笑)

大久保

「ま、たしかにそうなんだけど」みたいな。で、「それで返しちゃだめなんです?」って言ったら「だめです」って言われたから。政策金融公庫と商工中金は借り換えOKなのよ。過去借りたやつを含めて、今回ので延ばす。だから、5年のやつを10年に変えたり、据え置き期間を……まあ、でも、「2年ぐらいしてくれ」って公庫に言われたけど。

円道

セーフティに借り換えができるってことですか?

大久保

違う違う。公庫内の借り換え。

円道

あ~、そういうこと。

大久保

公庫でいままで1,000万借りてました、じゃあ今回3,000万借りますっていうときは、その1,000万も無利子にできる。

円道

へぇ~、そういうことなんだ。

大久保

そう。商工中金も同じ。だから、公庫・商工中金内の借り換えはやっていいけど、保証協会はやってくれないっていうか、枠が違うからっていうロジックなんだけど、やってくれないし、あとは、だから、過去の有利子のやつを返しちゃうのも、それはそれで問題があるというか、保証協会から金借りてプロパーを返しちゃいけないんだよね。

円道

なんか、LINE@でも「全部返すのはだめ」みたいな情報が出てましたよね。

大久保

でも、あのあとにレス来て、「『プロパーこれで返しましょう』っていう提案をされてます」とか言ってて、エグいな銀行みたいな(笑)

円道

(笑)

大久保

原則はだめだけど、まあ、倒れなければわかんないので。

円道

ああ、現場レベルではそういうのがあるんですね。

大久保

4号だと100パー保証だから。通常、保証協会の保証って80パーなんで、100パー保証のほうが銀行も20パーのリスクも消せるから。プロパーはリスク100パーだからプロパー消しちゃって、「全部無利子ですよ」っていって……あれ、無利子って言いながらもらうわけでしょ、国か何かから。あ、保証協会も。

円道

だから、銀行なんて今回のあれでめちゃめちゃ儲かりますよね。

大久保

バブルだよ。

円道

事務処理屋さんですよね、そうなると。

大久保

そうだよ。だって、認定持ってきた会社に貸せばいいだけだから。

円道

この間、銀行の方と話したときに、すげえこのタイミングで悔しいのは、どこに貸すかとかいう戦略的な人間よりも、事務処理が早い人のほうがすげえほめられるらしくて。

大久保

たしかに(笑)。鬼のようにハンコ押したからね、きょう。1時間ハンコ押し続けた(笑)

円道

(笑)

大久保

マジ、俺、事務処理能力ねえなと思った(笑)。「これ、俺のじゃなきゃだめですか?」みたいな。

円道

時間的にも最後近づいてはいるんですけど、大久保先生のまわりは、そうやってもともと情報、ポッドキャスト聴いてる方は早かったかもしれないですけど、ただ、結構遅れちゃった方もいるじゃないですか。

大久保

はいはいはい。

円道

これから、それこそ「セーフティだ」「どうにかしようか」とか動き出す人たちに対して、一通り動き終わった側の人間として何か考えるべきポイントとか、そのへんってあります?アドバイスを。

大久保

まあ、待つしかないね(笑)。えーとね、もうちょっとちゃんと言うと、「他でやってませんか?」って……これ、ラジオで言っちゃだめか。まあいいや。あのー……まあいいか(笑)。だからさ、3つ、公庫も商工中金も……商工中金は売上1億とかないとキツイと思うけど、あと民間、これを同時にやらないと、どこがはじめに来るかってわかんないから。いっぱい借りるっていうのもあるけど、いまやってなくて、ホントに時間かかって、ホントに倒れちゃうみたいな人もいるかもしれないから。やっぱそれを並行させてやっていくっていうことだと思うんで。で、雰囲気としたら、公庫とか商工中金は、これ、あれによって違うんだけど、だいたい固定費の3か月分とか、ま、公庫はたぶん売上の3か月とかでやれてるところもあるんだけど、そんな基準。だから申し込み金額をそんな感じにするっていうのがひとつと、民間の無利子のほうは銀行がリスクゼロで入るもんだから、平気で1億とか手出してくる。

円道

はぁ~、そんなに!?

大久保

「限界行こうぜ」って感じ。

円道

それ、しゃべって大丈夫なんですか?

大久保

いや、もう、しょうがねえな(笑)

円道

そうだよね。たしかに。そういうことか。

大久保

そう。だから、協会もたぶん「そんなにいらないでしょ?」みたいな減額する基準もあると思うんだよ。いったん、まだ、この段階では「とりあえず申し込みましょうよ」みたいな感じ。要は申し込み金額以上は審査してくれないから、減額されたって1円でも多いほうが利息補填はあるし、むしろ4年後から直接利息も発生するから、結構エグいよね、いま。だから、そういうもんだと思って同時並行的に。ただ、スピードはわからないから、いつ出るかわからないという……まあ、そんなソワソワしてもしょうがないんで。やっぱ、この時期に「売上落ちてないんですけど、どうしましょう?」っていう問い合わせが来るんだけど、「落ちてないならいいんじゃないですか?」って話なんで(笑)

円道

それはそのとおりですね(笑)

大久保

「なんか損してる感じがする」みたいな、「いや、してないから」って(笑)

円道

それは、ちょっと、うらやましい悩みのやつですね。

大久保

そうそうそうそう。「それはそれでよかったでしょ」っていう、「みんな困ってるんで」っていうのを……。

円道

このタイミングで聞いたとこでいうと、「公庫・商工中金・民間をうまいこと同時並行で走らせていくっていうのが結構大事よね」ってことですね。

大久保

そうだね。だめなんだけどね(笑)。嫌がられるけどね。まあ、でも、しょうがないね、はじめから俺「借りまくれ」って言ってるから。まあまあ、そんな感じ。

円道

なるほど。というわけで、ちょうど調達始まって、実際、早いとこだと2か月ぐらいたってるんですかね。

大久保

そう。

円道

振り返ってみての、ちょっと反省会というか、感じでやってまいりましたが、きょうのあたりは、このあたりで終わりたいと思います。ありがとうございました。

大久保

ありがとうございまーす。

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