突然、目が良くなったそうですね。

手術をしました。

遠くも近くも見えるようになったんですか？

はい。遠く・近くは、テストの点で言うと100点・100点。で、中間距離っていうのがあって、これがだいたい80点です。

すごい。私はレーシックをして遠くは見えるんですが、近くは老眼で見えないです。

中間距離も完璧に見える手術もあるんですよ。

もう若返ったも同然ですね。

ただその手術は、3か月ぐらい待たないと出来ないんですよ。

へぇ。色々あるんですね、今は。

実は私、2010年にも入院したことがありまして。

よく入院しますね。病院が好きなんですか？

いや、好きじゃないです（笑）。でもその時に「カイシャの病院」というコンセプトを思いついたんですよ。

じゃあ入院がキッカケでこの事業に至ってるわけですか。

はい。交通事故で入院した経験はあったんですけど、病気で入院したのはそれが初めてだったんです。

事故と病気は違いますか？

違いますね。2週間ぐらい入院したんですけど、すごい不安で。

確かに病気になると不安になりますよね。どうなっちゃうんだろうとか。

でも人間の場合は病院で治療してくれるじゃないですか。

はい。病気になったら病院に行きますね。

でも会社がこういうつらい状況になったときって「どうしたらいいんだろう？」と思いまして。

よく病気の時に、そんなこと思いつきましたね。

暇だったんでしょうね（笑）それで「会社　病院」って検索したら何もなくて。「これだ！」と思いました。

いやでも、面白いですよ。「カイシャの病院」っていうコンセプトは。

はい。それが面白いってことで、先日「フォーブス」という雑誌にも取り上げてもらいました。

やっぱコンセプトは重要ですよね。私も経験がありますけど、コンセプトが立っているだけで取材が増えます。

そこまでは考えてなかったんですけど。

どんな記事なんですか？フォーブスは。

「カイシャの病院」というビジネスを思いついた背景ですね。

そこからよく今のビジネスに行き着きましたね。

入院から会社の病院を思いついて、会社の病院っていうからには会社の病気を治してあげたいと思って、じゃあ会社の病気って何なのだろうと考えたわけです。

それが風評被害対策だったと。

ネットの風評被害対策、それと今回お話しさせてもらってる「ネットの履歴書」ですね。

経営者の方って自覚はあるんですか？「わが社はいま病気だな」っていう。

いや、どんなに苦しくても会社には「病院」っていう概念がないですから。

ですよね。

人間だったら「おなかが痛い」「頭が痛い」となると、病院行こうってなりますけど。会社はそもそもそういう発想がない。

じゃあ見つけてもらいにくいですね。せっかく病院やってるのに。

はい。「会社の病院といったらソルナだよね」とか「三澤さんだよね」って言われるよう頑張ります。

でもソルナさんは、全ての病気に対応しているわけではないですよね。

はい。人間だったら三大病みたいなのあるじゃないですか。

ありますね。癌とか心臓病とか。

あれと同じで、会社にも「ヒト・モノ・カネ」という昔ながらの困りごとがあるんですよ。

ソルナさんはどの困りごとに対応してるんですか？

スマートフォンの普及によって、そこに４つめの「新しいウイルス」みたいなものが出てきたんですね。

それが風評被害だと。

はい。ネットへの書き込みによる「企業ブランドの喪失」という病気です。

今はネットに書かれたら大ごとになりますからね。バイトテロとか、社員の不祥事とか、パワハラとか。

はい。放っておくと大変なことになります。

じゃあ、こうなる未来を予想してたってことですか？2010年の時点で。

「予想してた」って言うと大げさですけど。すでに2010年とか11年あたりには、ちょっとずつ火種が出てましたし。

SNSが出だした頃ですよね。

そうです。そこに色んなことが書かれだして。

一気に広がったと。

いや、書き込みが消えていくのか、どんどんまわりを巻き込んで燃えていくのか、その分岐点って感じでしたね。

「これは広がっていくぞ」って確信したきっかけとか、あるんですか？

スマホです。

なるほど。

スマートフォンが普及するかどうか。そこが最大のポイントでした。

やっぱりスマホとSNSですよね。こうなった元凶は。

元凶という言い方が正しいかどうか分かりませんが、その二つがある状況をつくり出したことは確かです。

ある状況？

個人と個人が直接つながる場ができてしまった。

なるほど。

口コミサイトはもっと前からあったんですよ。すでに。

食べログとか。

はい。価格コムとかもありました。

でもそんなに大きな影響はなかったと？

当時はまだ口コミの整備がされてなかったので、かなりえげつないことも書かれてたんですけど。

僕らも採用をやってる時、2ちゃんねるにいろいろ書かれましたけど「しょせん2ちゃんねるだから」っていう見方でしたね。

ですよね。世の中の反応は「とんでもないやつが書いてるだけだよ」みたいな。

そんな感じでした。読んだら傷つくけど、事業運営には影響ない。だから放置してましたね。

それがスマホとSNSの普及によって変わったわけです。

今や「マスメディアよりもネット情報を信用してる」って人も大勢いますからね。

はい。情報発信する個人がすごい力を持っちゃいました。

今や全員が発信者ですもんね。普通の主婦のつぶやきで会社が傾いたりします。

書く人が強くなったのも事実ですし、転職サイトとかメディア自体の力も上がりました。

なぜネットメディアがここまで強くなったんでしょう。

上場企業がしっかりとした箱をつくって、そこに何万・何十万って人が集まってきて、数の力で圧倒してるんですよ。もう1企業では到底太刀打ちできません。