原因はいつも後付け 第14回 「『お客さんは価格しか見ていない』のウソ」

// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

《第14回》『お客さんは価格しか見ていない』のウソ

「お客さんは価格しか見ていない。」
こんな言葉を店舗のオーナーから聞くことがあります。

なぜそう思うのか、話をよく聞いてみると、
「お店の看板を見て立ち去ってしまうお客さんをよく見かける。」
「これは多分、他のお店と値段を見比べてるからだ。」という訳です。

確かに看板を見ているのであれば、お店に興味を持っているのは事実でしょう。

でも、本当に価格に不満があったから来なかったのでしょうか?
ここに何か重大な見落としはないのでしょうか?


店舗型ビジネスの集客において、重要な役割を果たすお店の看板。
この看板に何を書けばお客さんが来てくれるのか?

私も実際に店舗の経営をしている立場なので、この重要性は良く分かります。

そして、看板に何を書くか悩んだオーナーの多くが、ここで商品と価格を書き出す訳です。
これは、私も異論はありません。

ただ1つ問題なのは、その「商品」とは何なのかと言うこと。

「そりゃ、お店のメニューに載ってる商品に決まってるでしょ。」と思うかも知れません。
でも本当にそうなのでしょうか?

私はここに大きな落とし穴があると思うのです。
お店の「商品」は何なのか?

私が考えるお店の「商品」。
それは、お店に来るべき理由となる「お店の強み」。

商品とは何も、食事や飲み物だけに限りません。
お客さんがそのお店に行こうと思う「お店の強み」。

「お店で過ごせるゆったりした空間」
「オーナーとの会話」
「提供している物に対するオーナーのこだわり」

こう言った、そのお店が持つ強みこそが実は本当の商品であり、お客さんはその強みに対してお金を払っているのではないでしょうか?

メニューに載っているものだけがお店の商品であると先入観で決めつけてしまうこと。
そして、その商品と価格だけを看板に書き出して来店を期待すること。

これでは価格以外の何を見て、他のお店と比べれば良いのか分かりません。

「お客さんは価格しか見ていない。」
そう感じてしまうのは、お店に来るべき理由となる、「本当の商品」が書いていないから。

お客さんは「価格しか見ていない」のではなく、本当の商品が書いていないから「価格しか見れない」のです。

価格で見比べられたくないのであれば、自分の「お店の強み」を言語化すること。
そして、その強みこそが本当の商品であると認識して、強みを看板に書き出すこと。

自分のお店の「本当の商品」は何なのか?

これを考えようとせず、お店のメニューに載っている商品だけが「商品」と思っている限り、お客さんは価格を見比べることでしか、お店を選びようがないのです。

 

著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計28店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。

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