原因はいつも後付け 第58回「集客の優先順位を考える」

 // 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

《第58回》集客の優先順位を考える

飲食店経営において「集客」という言葉を聞いて思いつく方法は何か。
その答えは人によって様々だと思います。

私が仕事でオーナーさん達と話をしている限りでは、SNSやグルメサイト、クーポンなどを思いつく方が多いようです。

ただ、この店舗集客というお題を考えた時、多くのオーナーが見落としがちな集客があるのではないかと、私は思うのです。


《今いるお客さんに注目する》

店舗商売において、見落としがちな集客とは何なのか?
この問いに対する私の考え。

それは「今、お店にいる人にまた来たいと思ってもらうこと」。

こんな事を書くと、「なんだ、単なる顧客満足度アップか」と感じる方もいらっしゃるかも知れません。確かに私が言ってる事は当たり前のことであり、お客さんにまた来てもらいたいと思っていないお店なんてないでしょう。

ただ、私がこれまで店舗の集客を考えてきた中で重要だと感じるのは、この当たり前だと考えている「また来たいと思ってもらうこと」に対して、具体的に何をやっているのか?ということ。

もちろん、丁寧な接客を心がけることは欠かせないでしょう。
ただ、ここで言う「また来たいと思ってもらうこと」とは、お客さんがリピートしたくなる仕組みや知人にお店を紹介したくなる仕組みのこと。

そう考えた時、実は自分のお店ならではの仕組みを考えていないお店は、意外と多いのではないかと思うのです。

《逆転した順序》

今、お店にいる人にまた来たいと思ってもらう仕組みを考えること。

今回は店舗商売を例に挙げましたが、同じような事は違う商売にも言えるのではないでしょうか?

既存顧客のリピートを営業マンの営業力頼みにしている。
顧客から新規客を紹介してもらえるよう、営業マンに発破をかける。

こういった会社も、店舗商売で言うところの「今いるお客さんにまた来たいと思ってもらう」ための仕組みがないのと同じだと思うのです。

私たち商売をする人間は、よく「リピーターさんが大事だ」と口にします。

にも関わらず、私たちは目の前にいるお客さんにまた来てもらうための具体的な仕組みを考えようとせず、なぜかまだ見ぬ新規客を増やす努力をしてしまいがちです。

これはつまり、優先順位が逆になっているということ。
だから、この集客の優先順位を元に戻して考える。

自分がまた来たいと思えるからこそ、知人に紹介したくなるのであり、リピートも紹介も増えない状況で新規集客へお金と時間を投資したとしても、その効果は限定的なものになってしまうような気がしてなりません。

リピーターさんが大事なのであれば、まずは今いるお客さんがまた来たくなる仕組みを考える。

これが私の考える一番確実な集客であり、確実だからこそ改めて真剣に考えることで、その取り組みはお店により大きな成果をもたらすと思うのです。


まだ見ぬ新規のお客さんを探す前にやれる事は、お店の中にあると思うのです。

 

著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計29店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。
https://tsujimotomakoto.com/

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