小さなブルーオーシャンに出会う旅 第35回「一般常識の逆を行く小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

第35回「一般常識の逆を行く小さなブルーオーシャン」


「早い(速い)ことが目的じゃない。むしろゆっくりの方が心地良い」

どんな状況の時、
タクシーを使おうと思いますか?

飲みすぎて、終電に間に合わなかった
手荷物が多くて、移動が困難
交通網が未発達で交通手段がない
目的地まで早く着きたい
ただただ、面倒…

いろいろな状況や場面、
さまざまな心情の元で、
タクシーという乗り物は
使われている気がします。

なんだかんだ言っても、
便利で、使い勝手が良いのが
タクシーですね。

この、タクシーですが、
ゆっくりと移動する乗り物だったら、
使いますか?
例えば、人力車のように。

実は世の中には、
ゆっくりと走るタクシーと
というものが存在します。

その名も
「タートルタクシー」

亀のようにゆっくり…
ではありませんが、


andreas NによるPixabayからの画像

小さなブルーオーシャンを生み出しているものは何なのか?

このタートルタクシーは、
横浜を中心に東京など7拠点で
タクシー事業を展開する
「三和交通」さまのサービス。

タクシーは、
急いでいるときだけ利用する
とは限りません。

急いでいないのに、
スピードを出す運転手さん。
ちょっと、ドキドキしますよね。

お腹に子どもがいる。
だから、ゆっくりと、安全に走って欲しい。
こう思うお母さんもいるでしょう。

そもそも乗り物に弱い。
そうっと、揺らさずに進んで欲しい。
なんて思うこともあります。

でも、
「急いでいませんので、ゆっくり走ってください」
と、運転手さんには伝えづらい。

タートルタクシーは、一見、普通のタクシーですが、
他のタクシーにはないものが付いています。

それは「ゆっくりボタン」。

ボタンを押すと、いつもより、
ゆっくり丁寧な運転を開始します

と書かれています。

私たちは、

タクシー=急いで目的地に向かうための乗り物

という思い込みがあります。

しかし、その思い込みを逆手にとってみると、
意外と、そこにニーズがあったりするものです。

以前、この小さなブルーオーシャンに出会う旅
でご紹介した、第5回
「コンビニの6.6倍もある市場の中で
見つけた小さなブルーオーシャン。」

も同じような発想です。

美容室は、綺麗になるところ、素敵になるところ、
という思い込みがあります。

その思い込みを逆手にとったのが、
「メンテナンスサロン」ということです。

値付け、も同じかもしれません。

人は安いものを買う

という思い込みがあります。
しかし、逆に高くしたら売れる、
ということもあるはずです。

たまには、急がずに
ゆっくりとタクシーに乗って、
心地よい気分に浸るのも
よいではありませんか。

 

佐藤洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。
中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

 

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