小さなブルーオーシャンに出会う旅 第37回「既存ビジネスに価値を付加した小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

第37回「既存ビジネスに価値を付加した小さなブルーオーシャン」


「空中を有効活用することで価値を付加する」


株式会社フィル・カンパニーさまHPより

今回は、2005年に設立され、
11年後の2016年にはマザーズに上場。
さらに3年後の2019年には東証一部へ
市場変更をした会社、
「株式会社フィル・カンパニー」さんを
紹介します。

どんなビジネスをしているのか、
というと、「空中店舗」という事業。

あちこちに点在している駐車場。
その駐車場の上に、店舗を開発してしまう
というのが、「空中店舗」という事業です。

ちょうど駐車場の2階部分に
店舗ができるイメージです。
もちろん駐車場は、従来どおり
車を止めることが可能です。
既存の機能が失われることはありません。

駐車場ビジネスはそのままに、
新たに店舗を構えることで、
駐車場オーナーの収益がさらに増えるという
仕組みです。

小さなブルーオーシャンを生み出しているものは何なのか?

「もったいない」という部分を
上手に活用して、唯一無二の
ビジネスを作り上げたのが
株式会社フィル・カンパニーさん
だと思います。

ただし、このビジネスは
そう簡単ではなかったのではないでしょうか?
私は素人なので、詳しいことはわかりませんが、
最初から店舗にするため建物を建てる。
その一階部分を、駐車場にする。
ということあれば、建設会社等に頼めば
済むことです。

しかし、元々駐車場だった上に、
店舗を増築する。
危険だとか、リスクがあるといった反対、
建築関係の法律に阻まれるなどということが
あったのではないでしょうか?
それを一つひとつクリアしてできたビジネス
なのではないかな、と思います。
その苦労が、参入障壁となり、
誰でもできそうで、できないビジネスに
なっているような気がします。

駐車場そのものの機能を維持しながら、
追加で店舗運営を行えば、土地の取得コストがありません。
さらに家賃の負担が駐車場で吸収されているため、
新たに開発した店舗の運営コストはかなり有利です。

駐車場オーナーにも、
駐車場を使う人たち、店舗を利用する人たちにも、
そして、株式会社フィル・カンパニーさんにも、
Win−Win−Winのビジネスだと思います。

 

株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。
中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

 

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