スケッチ 第1回「隠れたブルーオーシャン」

この対談記事について
100人にひとりのスキルを3つ掛け合わせれば「100万人にひとり」の存在になれる。なんて言われています。でも100人にひとりって結構大変ですよね。そんなあなたに朗報です。もしあなたの絵心がゼロなら大チャンス。あなたのビジネスに関係なさそうなら更にチャンス。スケッチはあなたの人生を変えるかも。


対談相手プロフィール
戸谷信彦(とや のぶひこ)

株式会社ネクストプラス 代表取締役 https://www.next-plus.co.jp/
1965年 群馬県生まれ。大手家電メーカーでプロダクトデザイナーとして勤務後、住宅会社の企画・商品開発部に転身。ママ目線住宅などの商品開発を行う。現在は、スケッチスキルを活かして、全国の工務店で営業支援や仕組みづくりを行っている。LIXIL、Panasonic、ビックサイトでのセミナー開催など講演実績多数。

第1回「隠れたブルーオーシャン」

安田(やすだ): 「100万分の1理論」ってご存じですか?

戸谷(とや) 100万分の1理論?

安田: はい。100人に1人しか出来ないことを3つ組み合わせれば、100万分の1の人材になれるという。

戸谷: ああ、元リクルートの藤原さんの理論ですね。

安田: 1万人に1人とか100万人に1人の逸材になるのは、すごく難しい。でも100人に1人くらいなら何とかなる。

戸谷: だから、それを組み合わせればいい、という理論ですよね?

安田: そうです。たとえば「お笑い芸人」なのに「クイズが得意な人」みたいな。

戸谷: 足が速いお笑い芸人とかもいますよね。

安田: はい。「美人すぎる市議さん」とか。モデルだったら普通だけど、市会議員だから「スゲー!」みたいな。それを3つ組み合わせるっていうのが大事らしいです。

戸谷: でも3つは、なかなか難しいんじゃないですか?

安田: そうなんですよ!1個2個は思いつくんですけど、3個となると難しい。

戸谷: ですよね。

安田: そこで、はたと思い当たったわけです。戸谷さんの「スケッチ」が、普通の人が確実に100分の1になれる気がして。

戸谷: なれますね。確実に。1万分の1は難しいけど、100分の1だったら確実です。

安田: 多くのビジネスマンにとっての「隠れたブルーオーシャン」ですよ。絶対に。

戸谷: 住宅業界では、既にそうなってますからね。

安田: ぜひ、それ以外の業界にも広げたいです。ところで戸谷さんの「スケッチ」って、習うと何が出来るようになるんですか?

戸谷: 一番みなさんが驚くのは、簡単に人を描けるようになること。模写するわけじゃなくて、人のフォルムが描けるようになる。

安田: 人ですか?

戸谷: はい。たとえば何か四角を描いてとなりに人物を加えるだけで、シーンになるじゃないですか。

安田: なるほど。「人が描ける」イコール「シーンを描ける」ということだと。

戸谷: まさに、そうなんですよ!

安田: でも人って、そんなに描くのが難しいんですか?

戸谷: 頭と体をバランスよく描く方法があるんですけど、習ってない人は、まず描けないですね。

安田: でも習うと、描けるようになる。

戸谷: あっという間に、描けるようになります。あとは四角を描けるようになること。

安田: 四角ですか?

戸谷: 世の中にある人工物って、ほぼ四角いものからできてるんですよ。

安田: そうなんですか!

戸谷: はい。だから人と四角をちゃんと描ければ、大抵のシーンは表現できるようになります。

安田: 言葉と文字に加えて、もう1つコミュニケーション・ツールが手に入ると。

戸谷: そういうことです。私自身が実感してますけど、かなり強力なツールになります。

安田: 絵を使ったコミュニケーションを考える人って、ある程度絵心がある人とか、絵が上手な人だと思うんですよね。

戸谷: 普通は、そうでしょうね。

安田: だけど、まったく絵心がなかったりとか、大人なのに小学生より下手な人とか、私も人のこと言えませんけど、いるじゃないですか。

戸谷: はい、たくさんいます。

安田: そういう人こそ、チャンスなんじゃないかと思ってまして。なぜかというと、ゼロだったスキルが急上昇するから。

戸谷: それは間違いないですね。

安田: 元から絵を使ってコミュニケーションしてる職業って、あるじゃないですか?

戸谷: デザイン業界とか。

安田: はい。そこでは絵を描くスキルって、レッドオーシャンだと思うんですよ。

戸谷: みんな描けますからね。

安田: はい。でも描ける人がまったくいなくて、「絵なんて必要ないだろう」っていう業界や職種の人ほど、すごいオンリーワンスキルになるんじゃないかと。

戸谷: じつは住宅業界も、まったくその通りなんですよ。

安田: そうなんですか?その場でレイアウトを描ける人とか、結構いそうですけど。

戸谷: 私も「みんな描ける」と思ってたんですけど、誰も描けないんです。

安田: へぇ~。

戸谷: 100人に1人も描けない。

安田: ということは、住宅業界でも100人に1人のスキルになる?

戸谷: はい。ただ誰もその価値に気がついていなかった。だから住宅業界に持ち込んだんです。

安田: なるほど。

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