泉一也の『日本人の取扱説明書』第3回「武士道とは死ぬことと見つけない」

アンポンタンなので、疑問をもたない「素直さ」が功をそうして、意外にあっという間に洗脳できた。量産型ザクにうまく育てることができたのだ。そして経済も軍事も西洋にあっという間に追いついた。

よし領土拡大だ!お金儲けだ、産めよ増やせよ、
社会のルールをきちんと作って、ルールを守り責任をきちんととれる人間に育てよう!

本来そんな民族じゃないのに。
その無理やり西洋化したひずみが、社会のそこら中に噴出している。真面目にデータを改ざんし、真面目にパワハラ上司に従順になってタックルしてみる。

アンポンタンな日本人になんて生きにくい社会をつくったのか。そう皆が気づきだした。

では、経営にどのように生かすのか。いい加減さにイライラし、いい加減さを悪として縛るようなルールを課すのではなく、一人一人の本気に火をつけることに力を入れればいい。寺子屋では、先生は子供達がどんな時に火がつくのかをじっと観察し、その火がつくことを応援し徹底的にやらせていた。そんな教育をしていたのだ。子供は本来いい加減なので、そのいい加減さの中に光る何かを見つけることが先生の役割だったのだ。西洋人はルールで縛っても問題ない。もともとそういう文化だからだ。日本人はもともとはそうではない。だからマニュアルをつくっても効率が良くならない。経営者、管理者の仕事とは何か。社員のいい加減さを子供のように愛しながら、その先にある火種を探すことでしょう。

 

著者情報

泉 一也

(株)場活堂 代表取締役。

1973年、兵庫県神戸市生まれ。
京都大学工学部土木工学科卒業。

「現場と実践」 にこだわりを持ち、300社以上の企業コーチングの経験から生み出された、人、組織が潜在的に持つやる気と能力を引き出す実践理論に東洋哲学(儒教、禅)、心理学、コーチング、教育学などを加えて『場活』として提唱。特にクライアントの現場に、『ガチンコ精神』で深く入り込み、人と組織の潜在的な力を引き出しながら組織全体の風土を変化させ、業績向上に導くことにこだわる。
趣味は、国内外の変人を発掘し、図鑑にすること。

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