リ・バリューション実績

No3

解放区

2017.10.13

空き家問題を、別の角度から考えたら、
「新しい働き方の提案」という答えに行きついた。
地域活性にもつながる、大胆で、あたたかいプロジェクト。

最近よく耳にするようになった「空き家問題」。少子高齢化、人口減少、相続問題などの要因が重なって、全国的に空き家が増えています。そんな中、大阪市西淀川区でビル・建物のバリューアップ提案・設計施工を行っていた株式会社ディーマンさんのもとに、取引先の不動産屋さんからこんな相談が舞い込みました。曰く、「神戸のひよどり台に空き家がたくさんあるのだが、どうにか有効活用できないだろうか」。ひよどり台と言えば、神戸駅から車で20分ほどにある大規模な住宅街。緑が多くて静かな環境は、ゆったり暮らすのに最適な反面、都心へのアクセスに若干の不便さがあります。一般的なリノベーションを施すだけでは不十分だと考えたディーマンさんは、まったく新しい「空き家の活用法」を見つけるため、BFIに声をかけることにしました。

企業概要

社名:株式会社ディーマン

業種:建築、施工、不動産管理

http://www.dman.co.jp/

空き家を使って、「新しい働き方」を提案

古くなった建物をキレイにし、今風の内装に作り変えて、売り出すことはできる。でも、それで買い手がつくだろうか。ディーマンさんの心配はそこです。まして空き家は一軒だけではありません。そこで、今後も長く活用していける「フレーム」が必要だとBFIは考えました。注目したのは、ディーマンさんが事業のかたわら注力していた「就業支援活動」。空き家の有効活用と、就業支援。この2つをうまくリンクさせられないか、と話し合いを進める中で、「職場でもあり、住居でもある、そんな空間を作ってみたらどうだろう」というアイデアが出てきました。対象は、個人事業主、いわゆるフリーランスの方たち。自分の好きなことをして生きていこうと考えている彼らに、とことん快適な「職住空間」を提供できたら、働き方の可能性を広げるキッカケになるのではないか。そんな気づきを経て、新たな「空き家活用法」の姿が見えてきました。

地域・入居者・クライアントの<解放区>となるように

私たちはあらためて、この方法がどのような価値を提供できるか、考えました。一つめはもちろん、空き家問題の解消。この試みが成功すれば、これまで放置されてきた空き家が、イキイキと活用される空間に生まれ変わります。二つめは、新たな働き方の提案。「職住近接」という言葉がよく聞こえる時代に、「職住一体」という、さらに先行く働き方を提案します。三つめは、効率的なビジネスモデルの構築。この「フレーム」は、ひよどり台以外の地域でも、ほぼそのまま流用可能です。これらは、①空き家問題からの解放、②つらい通勤からの解放、③ビジネスを毎回考えることからの解放、と言い換えられるかもしれません。様々な「解放」を提供できる場所、つまり、解放区。わたしたちはこの試みを<解放区>と名づけ、地域・入居者・クライアントの三者がみな幸せになれる、まさに「三方良し」のプロジェクトとして、スタートさせることにしたのです。

一年間の「試し住み」を通じて、リアルな情報を発信する

バリューマーケティングは、バリュークリエイティブで創造した価値を、どうやってターゲットに接続していくかを考えるフェーズ。『解放区』が価値を提供できるのは確かでも、「家を購入する」というのは、やはり簡単なことではありません。まして、どんな住み心地かもわからぬまま決断するのは、(特にフリーランスの方にとっては)ハードルが高いでしょう。そこで私たちは、「1年間、試し住みしてもらう」というアイデアを思いつきました。着工記念キャンペーンとしてモニターを募り、そこで当選した方に、一年間無料で暮らしてもらうのです。そして一年後、「購入するか、しないか」を決めてもらう(購入の場合、ローン月6万円~)。これなら入居者さんにとっても低リスクですし、無料期間の生活をSNSなどで発信してもらえば<解放区>のPRにもなります。こうして<解放区>が広まっていけば、空き家問題が徐々に解決され、フリーランスの働き方がもっと自由になり、やがては地域の活性化にもつながっていくでしょう。
課題を「問題」ととらえるのではなく、「新しい価値を提供するチャンス」と考える。そんなBFIらしさがよく出たケースです。

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