リ・バリューション実績

No4

パルティータ

2017.12.22

3つの飲食店を成功させた広島の地元企業がはじめた、
皆で食事を分け合うイベント「パルティータの日」。

広島県広島市にて、「ハーベストタイム」(スイーツ)、「スギタベーカリー」(パン)、「ワンダーストーブ」(カフェ)という3つの飲食店を運営している株式会社モンテドール。歴史の始まりは、現社長・杉田雅之社長のお祖父様が開業したお菓子の卸売店「スギタベーカリー」です。戦後復興の最中、「おいしいもので皆を少しでも励ましたい」という想いのもと運営されたスギタベーカリーは大変好評で、たくさんのお客様に愛されました。その後、会社が杉田社長のお父様に引き継がれると、卸から小売へと事業を転換。洋菓子店「モンテドール」が誕生し、順調に売上を伸ばしました。
しかし、約半世紀後。モンテドールが杉田社長の手に渡る頃には、競合店が次々と進出しており、売上は低迷傾向。「このままでは店の存続も危うい。新しい価値を提供しなければ」そう考えた杉田社長は思い切って店舗デザインやメニューを一新。店舗名も「ハーベストタイム」に変更し、全く新しい店としてリスタートを切ったのです。 「ハーベストタイム」は話題となり、周囲が驚くほどのV字回復を実現。勢いを得た杉田社長はその後、焼き立てパンを提供する「スギタベーカリー」、パスタなどの軽食が楽しめるカフェ「ワンダーストーブ」をOPEN。3店舗体勢で、より多くのお客様を獲得することに成功したのです。
順調に増えていく売上に安堵する一方、杉田社長はこうも考えるようになりました。「店舗が増えた今だからこそ、全店舗が共有できるコンセプトが必要なのではないか」。店舗ごとの想いではなく、株式会社モンテドール全体が共有できるような想い。
それをカタチにするパートナーを求め、杉田社長はBFIにやって来たのです。

企業概要

社名:株式会社モンテドール

業種:製造・飲食

http://www.montedoll.jp/

課題

全店舗で共有可能なコンセプトの必要性

「食べる時間」を「つながる時間」へ。

スイーツ店「ハーベストタイム」、自家製パンの「スギタベーカリー」、そしてカフェスタイルの「ワンダーストーブ」。この3店舗に共通する想いとはどういうものだろう。それを明確にするため、私たちは杉田社長の<人となり>を知ることから始めました。インタビューを重ねる中、“イケメンパティシエ”としても人気の杉田社長が、実は「皆で食事を囲むこと」に、大きな意味を感じていることに気づきました。
「たとえばギョーザなんていいですよね、大きなホットプレートを皆で囲んで、皆で食べるんです。皮で包むところから一緒にやったらもっと楽しいですよね。僕の考える“食べる”ってそういうことなんです。ただお腹を満たすためだけじゃなくて、人と人とをつなぐキッカケ、つまりコミュニケーションなんですよ」
食べることは、コミュニケーションである。杉田社長のこの言葉に、私たちはハッとしました。食事の時間を「単に食べる時間」から、「人と人がつながる時間」へ。これこそまさにバリュースイッチング、価値の転換です。この気づきが、株式会社モンテドールのコンセプト設計を大きく前進させました。

「同じ料理を分け合って食べる」、
“パルティータ”という時間

「食事を通じて、人と人がつながる時間を提供したい」。これこそ株式会社モンテドールが運営する3店舗共通の想いです。私たちは、その想いをなんとか一言で表せるようなネーミングはないだろうかと考えました。
キーとなるのは、「複数の人」が、「同じ食事を分け合って」食べるということ。皆が集まり、おしゃべりしながら同じ料理を食べている。そんなハッピーな風景を思い浮かべながら、様々な言葉を連想していきます。そこで出てきたのが、「パルティータ」という言葉でした。
パルティータ。「パーティ」の語源となったラテン語で、もともとの意味は、「分けられたもの」。
食べるだけなら、コンビニでもネット通販でも手軽に済ませてしまえるこの時代に、あえて「同じ料理を分け合って食べる」という価値を提供する。これこそ、株式会社モンテドールにしかできないことだと考え、このネーミングをご提案させていただきました。

話し合いを重ねるにつれ、少しずつ見えてくる「伝えるべき価値」。それは、杉田社長も気が付かないご自身の想いでした。「自分のことなのに、なんでこんなに難しいんじゃろうねぇ」と苦笑いしていらっしゃいました。前に進むけど、速度はゆっくり。ゴールは見えるけど、ぼんやり遠い。そんな初動の時期を一緒に乗り越えた後は、最後はびっくりするほどのスピードで「伝えるべき価値」は具現化され、素敵なコンセプトが生まれました。BFIと株式会社モンテドールの関係は、売る側と買う側ではなく、一つのチームでした。いまでも、戦友のような感覚で企画段階の話で盛り上がります。杉田社長をお誘いする時の台詞は決まって「パルティータしませんか?」です。
3店舗同時に「パルティータの日」を開催

最後は、この想いを「伝える」フェーズ。
まず、動物たちがドーナツを分け合って食べているイラストに、「分け合うって、幸せ」というショルダーコピーを乗せて、ロゴマークを作成しました。その後、コンセプトを伝えるためのチラシやポスター、Webサイトも作りました。
でも、それらはあくまでキッカケ。杉田社長が求める、「人と人が食事を通じてつながっていく場」を実際に作ろうということになり、株式会社モンテドール運営の3店舗各店で、第1・3土曜に「パルティータの日」というイベントを開催することにしました。
たとえばスギタベーカリーではこの日、大きな丸いパンを焼きます。このパンはピザのようにちぎって食べられるようになっていて、中央にはおいしいディップが。一つのパンを分け合って、同じディップにつけて、楽しくおしゃべりしながらこの時間を楽しめる、という仕組みです。これまでにない食事の楽しみ方に、すでにたくさんのお客様からご好評をいただいています。
また、各店舗で働くスタッフたちにもよい影響が出始めています。これまでは、業態が違うこともあり、どうしても店舗ごとの想いがありました。でも今回「パルティータ」という共通のコンセプトを得たことで、自然と全社がまとまるようになってきたのです。一つのコンセプト・ネーミングで、お客様だけでなくスタッフへも「新たな価値」を提供できる。これを示すよい事例となりました。

「パルティータの日」初日に向けて、「分け合うって、幸せ」を感じられるメニュー開発も試行錯誤が続いていました。例えばパンの大きさ、かたさなど、商品自体のサイズが大きくなるので、その分スムーズにいかない面もあったようです。Webサイトにはインスタグラムの更新も掲載。各店舗の商品やイベントの様子が随時配信されています。「見てるだけでも、幸せ」な画像ばかり。今後の展開も楽しみです。
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