稼ぎと学び

今、eスポーツと呼ばれる競技が
世界的なブームになっている。
スポーツという名が付けられてはいるが、
実態はゲームの大会である。
その賞金総額は億単位であり、
トップ選手の年収は軽く1億円を超えるそうだ。

この先賞金額は高騰し続け、
年収10億円を超える選手が現れることも予想される。
たかがゲーム、されどゲームなのである。
日本はゲーム大国であるが、
このブームには乗り遅れている。
遊びならともかく、
ゲームを職業にする事への抵抗が、
日本人にはあるのだろう。

だがこの流れはもう、
誰にも止めることが出来ない。
実際に日本野球機構はコナミと組み、
野球ゲームのプロリーグを創設しようとしている。
プロ野球選手とプロ野球ゲーム選手、
どちらが稼ぐのか見ものである。

日本がブームに乗り遅れている一例として、
eスポーツに対する学校対応が挙げられる。
アメリカでは既にクラブチームとして、
コーチまで招き入れている学校がある。
一方日本では、学校のクラブとして
承認すべきかどうかで揉めている。

学校の中で、堂々とゲームを
やり続けることはどうなのか。
遊びと勉強、遊びと仕事、
それらを分けて考えるのが、
我々日本人の常識だからである。
だがこのまま行けば、日本の学校でも
eスポーツを認めざるを得なくなるだろう。

何故なら、その教育方針は
社会に役立つ(稼げる)人材の育成だからである。
勉強が出来ることは将来の稼ぎに直結している。
スポーツも音楽も稼ぎに繋がる道がある。
だからそれらは、
学校での習得科目として認められている。

ではゲームはどうか。
社会で役に立つ=しっかり稼げる、
という図式に基づけば、
eスポーツは立派なスキルという事になる。
プロスポーツ選手やプロ棋士と、
なんら変わりはないのである。

だがそもそも学校は、
稼げる社会人の育成機関なのだろうか。
学ぶとは、稼ぐスキルを身につける事なのだろうか。
いやそもそも、何がお金になって、
何がお金にならないか、
そんなことは誰にも予想出来ない。
お金に全く縁のなさそうな研究が、
結果的に人の役に立ち、
社会の発展に寄与して来たことも事実である。

確かに、学ぶ事によって稼ぐスキルは向上する。
だがそれだけが学ぶことの目的ではない。
学ぶ目的は自分の人生を、
より豊かなものにすることだ。
稼ぎに繋がる学びが琵琶湖くらいの大きさだとすれば、
人生を豊かにする学びは太平洋よりも
ずっと大きいのである。

 


尚、メールマガジンでは、コラムと同じテーマで、
より安田の人柄がにじみ出たエッセイ「ところで話は変わりますが…」や、
ミニコラム「本日の境目」を配信しています。
毎週水曜日配信の安田佳生メールマガジンは、以下よりご登録ください。

メールマガジン読者登録

ブルー・オーシャン戦略は、未知の新大陸を探しだす作業ではありません。
新たなブルー・オーシャンは今いるレッド・オーシャンの中に無数に存在するのです。

2件のコメントがあります

  1. 人生の活きる目的と勉強の有益性や関連性の「境目」を再度、自問自答してみたいと思います。境目の考えが纏まったら、いや纏まるかな?ですが、自分なりの方向性が見えたら、感想を後日連絡します。

感想・著者への質問はこちらから