お客のお客

小さな会社や個人フリーランスが仕事を始める際、
最も苦労するのが集客である。
広告にお金をかけることが出来ないし、
たくさんの営業マンを雇うことも出来ない。

もともと付き合いのあるクライアントの協力で、
なんとかスタートを切ることは可能だろう。
だが事業を継続して行く上で、
新規顧客の開拓は決して避けて通ることができない。
永遠に続くクライアントはいないし、
一部のクライアントに頼りきりになることは危険だ。

顧客開拓力を手に入れない限り、
事業は1~2年で立ち行かなくなるか、
固定化したクライアントの下請けのようになるか、
どちらかである。
何れにしても先行きは暗い。
明るい未来を切り開くためには、
集客という課題を克服しなくてはならないのだ。

では、集客に行き詰まる原因はどこにあるのか。
商品に目新しさがない、営業力がない、
マーケティングが苦手、
などなど原因は色々と考えられる。
もちろん、それらの課題を
ひとつひとつクリアして行く努力は必要である。

だが集客が苦手な人は、
もっと根本的なところに目を向けなくてはならない。
一生懸命営業しても、
なけなしの資金で広告も出しても、
ぜんぜん仕事に結びつかない。
それは、自分の売上のことしか考えていないからである。

何とかして自分の仕事に結びつけようとする。
それ以外のことに時間やお金を費やしている余裕がない。
そういう人からは、どんどん人が離れて行く。
つまり、この時点で既に集客には失敗しているのである。
ではどうすれば人は集まって来るのか。

まず、自分のお客さんを増やすという考えを、
一旦脇に置く。
考えるべきは、自分のお客さんではなく、
お客さんのお客さんを増やす方法である。
集客とは食物連鎖のようなものだ。
自分が集客したい相手も、また集客に苦しんでいる。
その相手もまた、集客に苦しんでいるのである。

集客に苦しむ人たちの連鎖。
この連鎖は、参加者それぞれが
自分の集客を優先することによって起こる。
そこで、連鎖の流れを変える。
自分の集客ではなく、お客さんの集客を優先するのだ。
すると、どうなるか。

私のお客さんを集めてくれる人の元に、
どんどん人は集まって来る。
結果、自分の集客にも成功する。
当たり前といえば、当たり前の戦略なのだが、
不思議なことにこの戦略に取り組む人は殆どいない。
みんな自分の集客や売上ばかり考え、
結果、どんどん人が離れて行くのである。

 


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