投資家と企業家と実務家

賛否の分かれる話かもしれないが、
資本主義社会のアガリは投資家である。
と私は思う。
自分が働くのではなく、
お金を働かせることによってお金を稼ぐという生き方。

投資とギャンブルは同じではないが、
根本は似通っている。
すなわち、より多くのタネ銭を持っているものが
圧倒的な勝者となる。
小さな資金で稼ぐには倍率の大きな投資をするしかない。
だが競馬と同じように、
勝った時の倍率が高い馬ほど勝つ可能性は低い。

反対に、より大きな資金力があれば、
小さな倍率でも十分な利益をあげることができる。
100億円の資産を持っていれば、
1%の利ざやを受け取るだけで1億円の収入になる。
つまり投資家として生きていくには、
まとまった資金が必要であるということだ。

では企業家はどうだろう。
企業家とはすなわち経営者である。
社員を雇い、雇った人材を使って利益をあげる仕事。
投資家との1番の違いは、自らもその収益の
仕組みの中に組み込まれていることである。

経営者である自分の能力が高ければ、出資金の何倍、
何十倍、何百倍の利益を得ることも可能だ。
投資家ほどの資金力がなくても
企業家になることは出来る。
ただし自らも戦力として参加しなくてはならない。

頭脳労働はもちろん、
ステージによっては肉体労働も必要だ。
そして起業家が背負う1番のリスクは雇用である。
給料は常に先払い。
そして赤字になっても払い続けなくてはならない。
その点もっともリスクが少ないのは実務家だ。
自らの時間とスキルをお金に変える生き方である。

実務家からスタートし、企業家となって人を動かし、
最終的には投資家になって悠々自適に生きていく。
それが資本主義社会におけるサクセスストーリー。
だがそのシナリオは変わりつつある。
実務家でありながら
人を雇わない経営者でもあり投資家でもある。
そういう生き方が可能になって来たからだ。

いま社会は組織の時代から
個人の時代へと変わりつつある。
優秀な人材であるほど
組織に所属しているメリットがない。
人を雇い、育て、雇用し続けるメリットが、
企業側にもない。
雇わない経営と雇われない働き方。
それが主流になっていく。

組織の中でのポジションではなく、社会の中での役割。
自分の得意とスキルを活かし、自分の商品を持ち、
自分の顧客とつながることによって成り立つ仕事。
組織に依存せず、求められ続ける実務家。
それが新たなゴールなのである。

 


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どうすれば企業は生き残っていけるのでしょうか。私は今後、中小企業の経営は二極化していくと予想しています。それは「人を雇い続ける経営」「人を雇わない経営」です。

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