vol.19【永続する信頼と地に足のついた野心をカタチにする】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

永続する信頼と地に足のついた野心をカタチにする

「『龍の絵がほしい‥‥、といろんな龍を見ました。でも、どれもフワフワしていて何か違うな・・・』と悩んでいました。その時、門間さんの<地に足のついた、しっかりした龍>をみて、『これだ!』」と感じたのです」と、Kさんはにっこり笑いました。

Kさんは弁護士。元々は裁判官だったのですが、「夢中でやってきて、ふと、先が見えたら、これは違う」と、弁護士に転身しました。訪れたのは、転身してから一年ほど。弁護士になって日が浅いとはいえ、持ち前のバイタリティで、業績を着々と伸ばしていました。

でも、Kさんはふと「龍を飾りたいなんて、神頼みをしていると思いますか?」と口にしました。

「いえ、思いません。時に何かに頼りたい気持ちが起きるのは、人として普通ですし、自分の弱さも受け入れることで、本当の強さが引き出されます。それに、何千年も前から、人は龍を身近に置いてきました。それには、理由があるんですよ。

中国で紀元前に生まれた龍の姿は「九似(きゅうじ)」といって、角は鹿、頭は駱駝(らくだ)、目は鬼、うなじはラクダ、腹はみずち、うろこは魚、爪は鷹、たなごころは虎、耳は牛に似ていると言われます。さまざまな動物の特徴を備えた龍はあらゆる動物の頂点に君臨するとされてきました。

最強の動物がいつでも自分を応援してくれるように思い描いて、昔から人は自分のイメージを最大限に高めてきたのです」

と伝えると、Kさんは肩の荷が降りたような笑顔になりました。

そして、「緑に囲まれた龍が欲しいです。事務所の自分の机のすぐ近くに飾りたいのです」と言いました。

自由な気持ちに解き放たれたKさん。さらに、「独立したばかりの自分を補佐してくれる、老獪な龍が欲しい。私のパートナーだから、弁護士の象徴である、天秤を持っている」とイメージが湧き出てきました。縦横無尽に思い浮かべていい!と、ワクワクしてきたKさん。まるで連想ゲームのように、弁護士としての理想も言葉に湧き出てきました。そして、<地に足のついた野心を持って、お客様との永続する信頼を築いていきたい>と、ビジョンが明確になっていきました。

Kさんの龍は、賢者であり、策士であり、経験豊富な導き手だ、と、生き生きとした龍の姿がありありと浮かびました。そうして構想から下絵、本画と進んでいく、数ヶ月の間に、

尊敬する税理士から「弁護士によっては、お金にならないと思うと手を抜く人もいる中で、あなたはどんな時も誠意があるから信頼できる」と言われたことや、「自分は職業を超えた彼方に、本当に大切なものがあるのだ」などを再発見していきました。

その発見は、描いている最中の龍の変化となって表れていきます。

龍の変化の中で、「職人気質でいつでも手を抜かない」「物質主義より精神主義」などの深い価値観も明確になっていきました。それを映し出して、龍も姿を変えていきました。そして、龍の変化に共鳴するように、現実問題を解決しつつ精神的なものも大事にする、Kさん独自の弁護士像がはっきり浮かび上がってきました。

そして龍は、深い深い森の中に息づく老生した姿となって、完成しました。

「わぁ!さすが、すごい存在感です。デスクの前で、いつでも睨みを効かせてもらいます」Kさんは、愛おしむように絵を抱えて言いました。その後Kさんは、メディアに紹介されるなど、着々と人気弁護士の地位を築いていきました。今では複数の署員を抱えて活躍しています。

現実の中に埋没するのでなく、理想だけに逃げ込むのでもなく、現実と理想の間を揺れ動くからこそ‥‥。視野を広く高く、大地に深く根ざした、揺るぎない生き方をすることができるのです。

 

今回完成した作品 ≫「真心は慈愛を生み、慈愛は知恵を生む」

 

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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