vol.24【壁を乗り越えて、仲間と一緒により高い次元に向かえる絵】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

壁を乗り越えて、仲間と一緒により高い次元に向かえる絵

この作品で、色も形も「こんな感じ」とあいまいなのをはっきりさせるオーダー法則が生まれました。それはまだ、私が社長などエグゼクティブのお客様に出会い始めた頃。10年ほど前でした。
Oさんにお会いしたのは、Oさんが主宰する経営の勉強会。当時私は社長の想いを深く聞きたいのに、経営用語がわからない時があり悩んでいました。一見オーダーに関係ないように感じますが、重要なことです。なぜならば、人は、言葉にしづらい時に、別の話題を聞かれると話したいことをすぐに忘れてしまうからです。言葉にうまくできないことを表せるからこそ、絵で描く大きな意味があります。だから、このままではよいオーダー絵画を描くことができないと考えていました。そこで、経営の勉強会を紹介いただいたのがOさんとのご縁になりました。
Oさんが、その勉強会を主宰するきっかけは、新事業を始めて3年目に有名な経営の先生に出会ったからでした。大手の経営のあり方に目からウロコの発見をし、仲間と分かち合いたいと始めたそうです。
その積極的で、行動的なOさんから依頼されたのは、出会って数ヶ月たった頃、勉強会の合間にお話したのがきっかけでした。
「門間さんと話してすぐにイメージが浮かびました。画面にあふれる小さな花々が右肩上がりに弧を描いているイメージです。花々は仲間たちを表し、右肩上がりの弧は経営で業績が上がっていく経過。今、新事業をやるからには軌道にのせて沢山の人にお伝えできる会社にしたい、いつも高いモチベーションを持って どんどん業績をあげたいと思っています。だから、絵の左から右上に向かって仲間たちと成長する時間軸を作品にしてください」
一見なんでもできそうに見えるOさんでしたが、実は、若い頃、個人事業主で個人プレーだったため、人の上に立ちまとめていく大変さに今の事業で初めてぶつかりました。でも、それを乗り越えて、仲間と一緒により高い次元に向かえたらという強い思いが、ひしひしと伝わってきました。
最初のセッションのあと、薄いピンクと青の花で、周りにゴールド、シルバー、白を使って、4通りの構想スケッチを描きました。言葉で言い表せないくらいの小さな違いが大事だと直感でわかったので、まるで推理小説のように「これらの可能性がある」とキャッチして、少しずつ違う構想に描き起こしたのです。
4通りの構想で微細な違いが描き分けられているのを見て、Oさんはとてもよろこびました。そして、「私の考えていることを、理解しようとしてくれるのが伝わってきます。私が欲しい色味はこれです」と、わずかな違いの中から、はっきりと一枚の絵を選び出しました。
ああ、たとえ言葉だけで言い表せない微細なことも、画家が見逃さないで、汲み取って描きだせばいい。Oさんのあふれんばかりの笑顔から、強く確信しました。
Oさんが選んだ構想画から、さらに、微細な色味を描き出していくと、バイオレットピンクも必要なのがわかりました。バイオレットは、色彩心理で高貴なイメージを持ちます。華やかなOさんにぴったりです。そうやって、絵が移り変わる中で、Oさんのイメージがどんどん明確になっていきました。
ふわ~っ、とした空気感だと思っていたのは、波紋のような流れ。<流れ>が、小さな花々に模したOさんや仲間が明るい未来へ上昇していくのを助けてくれるのです。
そうして、ついに完成した絵を前に、Oさんが言いました。
「構想イメージ、下絵、本画と絵が発展する楽しさ、自分を理解してもらう嬉しさがあり、その過程に感動しました。
絵が好きだし、描くのも好きなのだけれども、描いてもらうことは本当に楽しかったです。その後、完成して門間さんがつけてくれた題名がいつも思ってきたことをぴったり表していて驚きました。『共に素晴らしい世界へ』という題名です。
今の事業とともに、新規事業も模索している頃で、 皆で一緒になって新しい良いものを広げていきたい、 素晴らしい世界を目指したいと行動していたので、 題名を聞いて『門間さんすごい』と思いました」

その後、Oさんの事業は軌道に乗り、伸びていきました。
さらに海外へも活動の幅を広げたOさんとはその数年後、「門間さん、経営者の心が知りたいなら、ぜひ、移民が毎年5万人くるためビジネスの実験場といわれるラスベガスへの視察勉強会にもいきましょう!」と、視察旅行まで一緒にいくことになります。それはまた別の物語になります。

 

今回完成した作品 「共に素晴らしい世界へ」

 

著者他の記事見る

 


 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

>>著者へのお問合せはこちら

感想・著者への質問はこちらから