vol.60【『優剛(ゆうごう)の美』|風水などではなく客観的に自分を見てほしいフラワーデザイナーの絵】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

『優剛(ゆうごう)の美』|風水などではなく客観的に自分を見てほしいフラワーデザイナーの絵

「風水で見て絵にしてもらう、という話を聞いたことがありました。でも、やりたいとは思いませんでした。だって、知識とか智慧とかを手がかりにして自分をみてもらうって、何かがひとと被るでしょ?そんなものは欲しくないし、おもしろくないのです」とMさんがいいました。はっきりとした言葉に、強い意思を感じます。

確かに、風水は、何千年もの年月を重ねてきた智慧です。古代から伝えられてきました。「風水の起源や源流は、紀元前十世紀以前の殷・周時代の「卜宅(ぼくたく)」にある。卜宅は、占いによって宅地や集落の吉凶を判断する方法」(『中国四千年の知恵を探る 図説 風水学』目崎茂和著)といわれています。

その後、紀元後三世紀の郭璞(かくはく276〜324)によって伝えられた『葬書』には、後に風水の用語になるものも出てきます。そしてさまざまに発展して、今に至ります。日本で風水と言えば、九星気学や家相の考え方をベースとしたものが主流ですが、それとはまた異なる見方をする中国の伝統的な風水もあります。

「<私を見て話して感じたこと描いてくれる人>ならいいな、と思っていました。だって、それならば、絶対に誰とも被らないから」と、Mさんは笑顔で続けました。50代半ばで専業主婦からフラワーデザイナーに転身。ヨーロピアンで華やかな創作を得意なのが伝わってくるような、華ある空気をまとった人。

「そうですね、私は一対一、人と人との関係の中でしか生まれてこないものをベースにします。」と答えると、満足そうにうなずいて「他の誰かと被るようなのは、自分を本当に知ることにはならないと思うのです。私は、本当の自分を知りたいのです」と身を乗り出して続けました。フラワーデザイナーとして独自のアレジメントを追求したい気持ちが、ひしひしと伝わってきました。

自分だけのものを追求するには、知性と感性が必要です。Mさんは、世界的な権威に師事して知識を身につけていました。それを元に、自分だけの感性を働かせようとしてきました。実は、感性は誰でも磨くことができるのですが、コツがあります。一つは想像すること。イメージです。学術的にいうと、感覚や感情を伴う経験を基に推論することです。

感性を磨くことは、AIが生活に入り込んできた今、企業や学術で盛んに取り上げられています。

オーダーは、一対一の関係をベースにするので、感性のキャッチボールともいうことができます。そこで生まれてくる絵は、その方から直にイメージしたものが出発点です。そのイメージを、色や形に置き換えていきます。

Mさんの作品は、下半分で、家族とともに在ることを表しました。下から上に向かって、過去から現在を表しました。人生の土台も表します。一方、上半分は現在から未来。情熱をもって未来に羽ばたいていく様を表しています。黄色は希望、ピンクは愛、情熱。

こうやって言葉にすると単純ですが、実際には、色の重なりや、こまかな揺れ動きなどがあります。だからイメージを受け取る時は、言葉にならない部分から自然に想像力がはたらきます。自分が映し出された絵は、見るだけで自然に感性を磨く手段にもなるのです。

そして、一対一の関係だけで生まれてくる絵は誰とも被らないので、自分だけのオリジナリティを受け取ります。探し出そうとアンテナを立ててみれば、誰にでもその人だけのよさが必ずあるものなのです。

「客観的に見て、自分にはこんなにたくさんの独創性があるのだ」と感じる時。それは、自分自身の存在への信念、信頼へとつながります。

「私の知らなかった私、今の自分でもたくさんの可能性があること、気づかせていただきありがとうございます!」完成した絵を見て、Mさんは、華やかな満面の笑みを浮かべました。Mさんには、セッションを重ねる中で、優しさと強さが溶け合った独特の魅力を感じました。だから、作品を『優剛(ゆうごう)の美』と名付けました。

その後、Mさんから、嬉しい連絡が届きました。「母の日フラワーフォトコンテストにて、ベストフラワーアレンジメント賞を受賞しました。会場となったデパートで、来場者の投票1位にもなりました!」

世界的なフラワーアーティストに師事して、さらに表現力を磨きながら、独自にデザインするフラワーギフト・フラワーインテリアの創作に取り組んできた成果が実を結んだのでした。

セッションの中で、「門間さんはまるでコンサルみたいなところもあって、驚いています!」といわれたのですが、それはまた別の物語です。

 

今回完成した作品 ≫「優剛(ゆうごう)の美」

 

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「門間さんに描いてもらい」とひそかに思いを育んておられた皆さま、是非ご確認くださいませ。

https://brand-farmers.jp/blog/monma_vision-paint/

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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