人生業

よく人に相談される。
出会ったばかりの人にも、アドバイスを求められる。
そういうタイプの人間はメンターという役割を
担っている場合が多い。

メンターとは壁にぶつかった時にアドバイスを求めにいく相手。
親でも友達でもないのに、なぜか信頼できる存在。
メンターは何かを成し遂げた偉人だとか、
人生を悟りきったお坊さんというわけではない。
至って普通の人間なのに、
なぜかその人に相談したくなる存在なのだ。

メンターは相談されることが苦にならない。
部下でも友達でもないのに、一円の得にもならないのに、
相手の話を真剣に聞き、一緒になって解決策を考える。
相談相手が答えを見つけ、幸せな一歩を歩み出す姿を見ると、
とても充実した気分になる。
なんていい人なのだろうかと、誰もが思うに違いない。
だがそれは卓越した性格の良さが起こさせた行動ではなく、
メンターという役割が導いた行動なのである。

人にはすべて、生まれ持った役割がある。
私はそれを『人生業』と呼んでいる。
お金を稼ぐための職業ではなく、役割を果たすための人生業・・・

– 『[安田佳生メールマガジン] 2015.9.30 人生業 』より冒頭引用