このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/しごとのメリット
「大手旅行会社」の「若手社員(3、4年目)」と「プレゼンテーション」をテーマに雑談をする機会がありました。
10名ほどが集まった場でしたが、プレゼン対象となる営業先は、
「個人、法人、自治体、学校、官公庁、学会」などなど、多岐にわたります。
なかでも、
「小、中、高の各学校」への「修学旅行提案」は、なかなかにハードなようで、、
「旅先も、日程も、予算も決まっている」ものに対して、
「競合が5社」ほど集められ、「順番に、20分前後」の時間でプレゼンするのが、ほとんどだとのこと。
順番は、くじ引きで決められることが多いのですが、最後を引いてしまうと、同じような話を飽きるほど聞かされた先生方が、無表情、ダンマリ、もはや無関心にも見える疲れたご様子で待っているのだとか。。
「会社がプレゼン研修など、たくさんの学習機会を創出してくれているのですが、結局、金額勝負ですから、あまり意味もないようにも感じます。。」
と、沈んだ表情、暗い声で話すのです。。
そんな彼らに、「楽しいな!って思える仕事には、どんなことがあるの?」と尋ねてみると、
「助添(じょてん)は最高です!」「確かに!助添はいいよね」「ずっと助添だけやっていたいな」と答えるのです。
一般的に、添乗員の仕事とは、
「企画販売したパッケージツアー、または社員旅行などの団体旅行に同行し、旅行計画に添って安全かつ円滑に運行されるように、交通機関や各種施設との調整や対応を行い、旅程を管理すること」のようですが、
「主担当としての『添乗員』は、責任も重く、やることも大変ですが、『サブ的』な立ち位置の助添乗は、気軽に観光も楽しめるんです!」
と楽しそうに話すのです。
「他にも楽しいことは?」と尋ねてみると、
「あ!わたし、この前、ついに航空会社からフリーチケットが届きました!!」
「え!!どこ?」
「ニュージーランド航空!」
「ぼくも!わたしも!」と数名の方がうれしそうに続きます。
何やら、旅行会社さんには、
国内・海外の航空会社や宿泊施設から利用体験を活用してもらうためにと「無料体験プレゼント」なるものが定期的にあるようなのです!
「スペインに行かせてもらいました」「シンガポールに行ったよ!」
と、他にも「どこそこの超高級ホテル」に宿泊させてもらったなどという、「羨ましいサプライズ」があるようなのです。
そんななか、「俺のとこ、全く、届いていない、、、」と表情を曇らせる方が2人。
「あ、『支店長止まり』だろうね」と他から声がかかります。
どうやら、航空会社や宿泊施設からは、支店長宛に連絡が届くようですが、それを、繁忙期や活躍度合いなど「職場の状況によって差配」されるようなのです。
ふと気づいたのですが、
「助添は気楽で自由だ」と多くの方が語るなか、
「お客様に楽しんでいただくための工夫をこらす『旅の演出家』としての一面もあるので、先輩たちと議論しながら、思い出をライブで創り上げることができる『添乗業務』はめちゃくちゃ大変ですが、その分、毎回、失敗と感動という大きな学びもあるんですよ」と答えてくれていた方は、
「ニュージーランド、スペイン、高級ホテル」など、すべてを経験しておりました。
そりゃ、支店長の差配にも日頃の行いが現れますわな。