このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/嫉妬の効能
某大手さんの人事部門主催の「成果共有会」なるワークショップに同席させていただきました
参加者は全国各地に配属された「新入社員」さんと、その「OJTトレーナー」さん。久々の再会に、新人同士もトレーナー同士も笑顔が弾けます。
和やかなムードでそれぞれの「近況や仕事の様子」を語り合っていましたが、新人Nくんだけが、ひとり沈んだご表情なのです。
気にかけて見ていると、
「情けないです、、悔しくて嫉妬してしまいます、、」とぽつりとこぼします。
「同期たちの活躍ぶり」が、自分にはまぶしすぎたのでしょうか。
すると、担当OJTのTさんが声をかけます。
「情けなくなんかないよ。ウチの職場やボクはNくんから元気をもらっているよ」
「嫉妬するのは仕方ない」
「でも、それで腐ったり、ひがんだりするんじゃなく、自分への悔しさに変えられてるやん」
「ただの嫉妬はみっともないけど、行動に変わるなら、それは気づきのエネルギーや」
映画にでも出てきそうな、なんとも思いやりのあるお言葉。
そこへ進行役の人事マネジャーAさんが笑いながら一言。
「Tくん、偉くなったな。新人の頃は同期の活躍に嫉妬して、文句ばっかり言って腐りまくってたのにね」
実はAマネジャーは、Tさんの元OJTトレーナーで、二人が「お互いの失敗談」を笑い合う姿に、Nくんも自然と笑顔を取り戻していくのでした。
人は、かつての「自分の弱さ」を経て、「誰かを励ませる」ようになる。そんな「循環」が、こちらの会社さんの強さなのかもしれませんね。
なお、ワタクシは「OJTトレーナー研修の新規提案」を企んでおりましたが、やんわりお断りをいただき、しょぼくれて帰ったのであります。。