カテゴリー: 伊藤英紀
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2019年6月4日
【コラムvol.75】
蓋をする人 後編「ハッテンボールを、投げる。」vol.75 執筆/伊藤英紀 ふたりで日本酒を六合ほど飲んだ。土屋は頭の芯に酔いを感じてはいたが、感情の動きは雲に覆われたように鈍い。脳も不活発で高揚はない。酔いに身をまかせることができな…
- 伊藤英紀
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2019年5月28日
【コラムvol.74】
蓋をする人 前編「ハッテンボールを、投げる。」vol.74 執筆/伊藤英紀 18歳。土屋と山内が最後に会ったときの年齢だ。ふたりは海辺のちいさな町の出身で、地元の中学高校の同級生だった。ふたりは今夜、28年ぶりに再会することになる。 …
- 伊藤英紀
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2019年5月21日
【コラムvol.73】
脱ぎ捨てる人「ハッテンボールを、投げる。」vol.73 執筆/伊藤英紀 人は拘束衣を着ている。 「おかあさん、ちいさいころ、オレなにが好きだったかおぼえてる?」 「え、なに?」 「オレのこども時代の話。」 「う~ん…絵本とかマンガ…
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2019年5月14日
【コラムvol.72】
面影「ハッテンボールを、投げる。」vol.72 執筆/伊藤英紀 私から離れて遠いところへいってしまった。 時間的に遠くへ。 距離的に遠くへ。 心情的に遠くへ。 死別により遠くへ。 そんな人や風物の「面影」を、 私たちは日々…
- 伊藤英紀
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2019年5月7日
【コラムvol.71】
結婚「ハッテンボールを、投げる。」vol.71 執筆/伊藤英紀 先日、若い友人が結婚しました。よい結婚式で、懐かしい知人にも会うことができ、楽しいひと時を過ごしました。 その友人は「人生の先輩として短いスピーチを」と言うの…
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2019年4月30日
【コラムvol.70】
AIの夢は、枯野をかけめぐる。「ハッテンボールを、投げる。」vol.70 執筆/伊藤英紀 さっき2052年になったようだ。ぼくはもうすぐ死ぬ。 90歳。予想よりだいぶ長く生きた。 この10年はさみしい日もいっぱいあった。生きていてほしい人たちの葬式…
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2019年4月23日
【コラムvol.69】
似あうけど気分が悪い服。「ハッテンボールを、投げる。」vol.69 執筆/伊藤英紀 「その服、似あうよ。すごくいい」とまわりからいくらホメられても、本人にとってしっくりこない服は、着ていて落ち着かないし、ときにツラかったり恥ずかしかったりしま…
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2019年4月16日
【コラムvol.68】
会社のバラバラ事件、解決しています。「ハッテンボールを、投げる。」vol.68 執筆/伊藤英紀 当社のキャッチフレーズです。今回は、なぜこんなキャッチを掲げるようになったか、お話させてください。 20代、30代は、求人広告をたくさん作りました。大学新卒の…
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2019年4月9日
【コラムvol.67】
自称やさしい人。「ハッテンボールを、投げる。」vol.67 執筆/伊藤英紀 わが社(ハッテンボール)は、僕も含めて9人で動かす小さな会社です。 僕は50代ですが、他はみんな20代30代。50代の僕の将来も不透明なわけですが、人生これか…
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2019年4月2日
【コラムvol.66】
「令和」は、平成じゃなく
「昭和」を終わらせた。「ハッテンボールを、投げる。」vol.66 執筆/伊藤英紀 敗戦後の高度経済成長って、今から思えばそんなに驚異的でもなかったんじゃないですかね。 僕が小学生のときに(1968〜73)、「日本は1億人もいるんだ」と知って…
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2019年3月26日
【コラムvol.65】
小林秀雄「ハッテンボールを、投げる。」vol.65 執筆/伊藤英紀 1902年生まれの文芸評論家、小林秀雄は講演の中でだいたいこんなことを言っています。(正確に知りたい人は、CDやDVDが販売されています。一部はYouTube…
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2019年3月19日
【コラムvol.64】
親戚列島「ハッテンボールを、投げる。」vol.64 執筆/伊藤英紀 あ〜な〜た〜のキスを〜数えましょ〜う♫ という歌がありましたが、いま僕は、 あ〜な〜た〜の先祖を〜数えましょ〜う♫ と歌っております。さあ、数えましょう。 誰…
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