【大手の作法/023】 情けは人の為ならず

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法:情けは人の為ならず

元上司と2人で最初の研修会社を始めたのは10年以上も前のこと。独立したての私に最初に仕事を依頼してくださったのは某業界最大手のメーカーさんでした。人員構成は10万名を超え、窓口として仕事をご一緒させていただいた方は20名ほど。独立後1年が経とうとする頃。振り返ってみると、年間売上の5割ほどを占める大型受注でした。その会社さんとは現在の「たかまり」としてもお付き合いさせていただいておりますが、当時はとっても不思議な感覚を持ったことを覚えています。

初案件をなんとかやりきった後。御礼の機会を設けたいと考えていた私でしたが、一足早くお客様Hさん(人事部門管理職:40代半ば)のほうから宴席のお声がけをいただいてしまいました。当時、私は30代前半。それまで中小・ベンチャー企業としか仕事をしたこともなく、大手のお客様と酒をご一緒するのは初めてのことでした。

→次頁は「宴席にて学んだこと」

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