このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/入ってしまった予定
某大手さん「取締役Aさん」から興味深い話を伺いました。
Aさんは「業界最大手」である某メーカーにて、これまでの記録を7歳縮め「最年少役員」に昇格なさった優秀なお方。
そんな彼が若手向けの「タイムマネジメント研修」の冒頭にメッセージを贈ってくれました。
その内容は以下の通り。
「タイムマネジメントって、ビジネスを進めていく上で『誰にとっても重要』なことやよね」
「特に当社の事業は『協業無くしては成り立たない』ので、関連会社、協力会社含め多くの人たちとの『信頼関係』で仕事を進めるよな」
「だからこそ、『関わる人との約束事』は成し遂げることが当たり前」
「『誰にも迷惑かけずに』仕事を進めるにはタイムマネジメントが重要なんよね」
「『当たり前や』って思うやろ?」
「でも、『もっと重要なこと』があるんやけど、なんや思う?」と不意に投げかけます。
問われた若手たちは、顔を見合わせて「あれやこれや」と考えます。
すると、Aさんは、
「誰かとの約束も大事だけど、『自分との約束こそが最も大事』やと僕は思うんよ」と語り出します。
「『上司やお客さんとの仕事』だからしっかりやる、って『未熟な考え』やろ?」
「それぞれが『人生の主役』なんやから、自分をもっと大事にしたらええんよ」
「『自分との約束』って、例えば、この時間で『本を読む』とか、『ジムに行く』とか、気の合う仲間と『飲みに出かける』とか、それをしっかりと守るんよ」
「決めていたのに『急な仕事が入った』とかで、自分との約束事を変更する人が多いなって思うんよね」
「それって、『自分をマネジメントできていない』ってことやろ?」
「「急な予定が入ってしまったので、、」って予定変更を相談してくる人をよく見かけるけど、『残念な人やな、、』って僕は感じちゃうんよ」
「予定は入ってしまうものじゃなくて、『自分自身の判断』で入れたってことやろ?」
「だったら、『こっちの仕事を優先する判断』をしますので、変更させて、って言ってくれた方が信頼できるわ」
「今日の研修も『自らの選択、判断』でここに来たんやから、自分のために頑張ってや」
そう告げると最年少役員さんは、笑顔で去っていきましたが、なんとも素敵なメッセージだったのであります。