このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/破れかぶれの禁じ手
某大手さんでの「ハラスメント研修」で、受講生がこんなことをつぶやいていました。
「誰かをイジって“貶める発言”や、“シモネタ”とかはさ、、」
「おもろい話題を提供できない人間の“破れかぶれの禁じ手”みたいなモノだなって思う」
「笑ってもらえる話術がないどころか、心地良い場を作ろうっていう“気遣いのカケラ”も持ち合わせちゃいないもんだから、、」
「稚拙で乱暴なやり方で誤魔化すんだろうね」
かつての上司らしき人のことを話していたのですが、
たしかに、そういう“笑い”で場を盛り上げようとする人は、しばしばいます。
ですが、そうやって無理やり作られた笑いは、実際には「困惑まじりの苦笑い」でしかありません。
“心優しき人たち”はその場で曖昧に笑ってみせるけれど、心の中では「やれやれ」「またか」と思っているのです。
そして驚くべきことに——いや、もはや驚くべきとも言えないのかもしれませんが——こうした発言や空気が、いまだに「大手企業の現場」でも見られるというのです。
時代は令和。ハラスメントの線引きもずいぶん明確になってきたはずなのに、「場の空気を読む」「ウケを狙う」という言い訳で、“アップデートを避けている人たち”がまだまだ多い。
「心地よい場づくりに必要なのは、“笑わせる”ことではなく、“笑ってもらう”ための思いやり」
その違いに気づけるかどうかが、これからのリーダーに求められる資質なのかもしれないのであります。


















