たったそれだけの
行為が、なぜに
人を悩ませるのだろうか。

寝つきが悪い
寝起きが悪い
すっきりしない
ぐっすりできない
あまり寝てない
寝れるけどすぐ目が覚める

などなど、
拙者の周辺では

寝る

について
不安、不満、
不足、不具合の
言葉が舞い続けている。

痛み
冷え
眠り

は健康器具業界の
３大テーマであると
通販会社の
ブランディングを
お手伝いしていたとき
聞いた。

寝ることは
眠り、睡眠に
関わっている。

がっ、まるで違う。

寝るは、

体を横たえること

であり、

眠る

ことではない。

体を横たえる

眠りに続く、
最初の動作、
これが寝るだ。
ーーーー
眠りにつく、
最初の動作、
体を横たえるとは
一体、どういうことだろうか？

拙者、
四国88ヶ寺をめぐる
歩きお遍路を
しているが、

深夜バスで
移動するときがある。

拙者が利用する
深夜バスでは、
体を横たることは
できない。

後ろの席の人に
配慮しながら
背もたれを
倒すのが嫌なので

拙者は
直立着席で
移動する。
根性のパンダ侍である。

四国に入るころには
足がパンパンに
浮腫んでいる。

腰や膝の関節も
ガクガクしている。

バスが到着して
歩き始めるときは、

足が前に出てくれること
立っていられることなど
フツーのことが
やたらとありがたくなる。

ーーーー
遍路宿につき、
風呂に入り、
４畳半ほどの部屋で、
あたたまった体を
横たえるだけで、

ほっ

と安らぐ。

掃除の行き届いた
清潔な部屋で、
寝転がり、

足の指、土踏まず、
足首、ふくらはぎ、ひざ、
もも、尻、腰、
背中、肩、首、頭

と自分の体を
安心して畳に
預けられるだけで

幸せだな

と思える。

深夜バスで
根性移動し、
9時間近く
歩き続けてくれた

拙者の体を
深く感じ入る
瞬間だ。

明日も、9時間歩く。
それを

頼むよ

と自分の体と
対話する。

大切な物を
手にとって

傷はないか

と点検するように、

寝ながら、
自分の体や
心持ちを
丁寧に点検する。

寝ることで、
意識の眼を
自分の体の
細かな気配に
向けることができる。

ーーーー
ってことで
寝ることは、睡眠とセットの動作ではない。

寝るとは

あなたが、体と対話すること

でござる。
拙者、普段は寝ると呼吸体操をしているでござるよ。

パンダ侍のプロフィール