この対談記事について
100人にひとりのスキルを3つ掛け合わせれば「100万人にひとり」の存在になれる。なんて言われています。でも100人にひとりって結構大変ですよね。そんなあなたに朗報です。もしあなたの絵心がゼロなら大チャンス。あなたのビジネスに関係なさそうなら更にチャンス。スケッチはあなたの人生を変えるかも。
対談相手プロフィール
戸谷信彦(とや のぶひこ)
株式会社ネクストプラス 代表取締役 https://www.next-plus.co.jp/
1965年 群馬県生まれ。大手家電メーカーでプロダクトデザイナーとして勤務後、住宅会社の企画・商品開発部に転身。ママ目線住宅などの商品開発を行う。現在は、スケッチスキルを活かして、全国の工務店で営業支援や仕組みづくりを行っている。LIXIL、Panasonic、ビックサイトでのセミナー開催など講演実績多数。
第2回「3時間で人生は変わる」
安田(やすだ): 戸谷さんは「スケッチ」というスキルを教えてますけど、絵とスケッチは違うものなんですか?
戸谷(とや): 明確な定義は分からないですけど、私が言いたいのは動詞の「スケッチしよう」みたいな感覚ですね。
安田: 「試しにちょっと描いてみよう」みたいな感じですか?
戸谷: カジュアルに「ウマイもヘタもなく」描く行為。それが私の言う「スケッチ」ですね。
安田: でも、伝わらないと意味ないですよね?
戸谷: もちろん。そこが一番大事なポイントですね。
安田: じゃあコミュニケーション・スキルですね。描いた絵がウマイかヘタかではなく、考えていることがより伝わりやすいかどうか。
戸谷: そうです。ひとことで言えば「コミュニケーションを円滑にさせる」スキル。
安田: たとえば女の子と話してる時に、ちょろちょろっと絵が描けるとウケると思うんですが。これは邪道でしょうか?
戸谷: いや、実際盛り上がります(笑)
安田: ですよね。仕事に関しても、ホワイトボードを使ったファシリテーションとか、サラッと絵が描けたら素晴らしいなと思います。
戸谷: そのシーンは一番効果的かもしれません。
安田: でも実際やるとなると、ヘタな絵は描けませんよ。
戸谷: 想像してるよりも、ずっと上手く描けるようになると思いますよ。
安田: でも、やっぱりそれって、生まれもった素質がある程度必要じゃないですか?
戸谷: そんなことないです。ひらがなを書くのと変わりません。安田さん、ひらがな書けるでしょ?
安田: もちろん書けますけど。かなりヘタです。
安田: まあ、そうですね。ひらがなや漢字は、いつもホワイトボードに書いてますから。
戸谷: その程度には、なるってことです。
安田: なりますかね?
戸谷: あっという間になります。要は書き順があるってことなんですよ。
安田: 書き順ですか?
戸谷: はい。たとえば「あ」という字は書き順があるじゃないですか。小学生の時に習いますよね?
安田: 「かきかた」っていう授業の中で、習ったと思います。
戸谷: でも、スケッチは授業で習わなかったでしょ?
安田: 美術の授業で習うじゃないですか。
戸谷: 美術の授業では教えてないです。
安田: 教えてないんですか?
戸谷: 美術の授業で「人物の描き方」って、習った憶えあります?
安田: 言われてみれば、ないかもしれません。
戸谷: そうでしょ。そもそも絵を描いた時間そのものが、文字に比べてものすごく少ないじゃないですか。
安田: それは間違いないですね。
戸谷: たとえば私がやってるスケッチ研修では、「5センチの縦線を何本引きましょう」みたなところから始まります。
安田: そんなところからですか?
戸谷: はい。「じゃあ、こんどは横の線を引きましょう」「こんどは四角を描きましょう」「四角に奥行きつけましょう」という感じ。
安田: 人物を描けるようになるまで、ものすごく時間がかかりそうですけど。
戸谷: いや、まったくかかりません。人物も「頭はこう描きましょう」「体はこう描いて、手はこう描きましょう」みたいなテキストがあります。
安田: テキスト通りにやると、あっという間に描ける?
戸谷: だんだん脳みそが騙されていくんですよ。
安田: 脳みそが騙される?
戸谷: 「描けない」と思っていた自分が、「描ける」と思うようになっていく。
安田: 自信を持つってことですか?
戸谷: やった人の感想で「あんなに描けると思いませんでした」「私、ぜったい描けないと思ってました」っていうのが9割以上ですね。
安田: まあ、そうでしょうね。絵に自信のある人なんて1割もいませんからね。
戸谷: 私からすると、描けない理由って2つしかないんですよ。
安田: たった2つですか?
戸谷: はい。描き方を習ってないことと、描いた時間が少ないこと。その2つだけ。
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