第3回「ビジョンをスケッチする効果」

安田（やすだ）：　戸谷さんは、元々絵が上手なんですか？

戸谷（とや）：　「好きでした」ってとこですね、正しくは。

安田：　子供の頃から？

戸谷：　はい。子どものときは体が弱くて、外で遊ばず教室で絵を描いてました。

安田：　じゃあ、友達が少なかったんですか？私もそうでしたけど。

戸谷：　いや、まったく。描いてるとみんな寄ってくるんです、絵ってね。

安田：　そんなに上手かったんですか？

戸谷：　いや、そんなに上手くなかったです。でも「あれ描いて」「これ描いて」って寄ってくるんですよ。

安田：　たとえば、どんなものを描いてたんですか？

戸谷：　象とか、アンパンマンとか。子供にとって絵を描けるってすごいんですよ。

安田：　じゃあ、人気者って感じですか？

戸谷：　そうでしたね。

安田：　私とは、ぜんぜん違いますね（笑）。

戸谷：　妖怪ウォッチも描けますよ。小学生のときは描けると人気者なんです。

安田：　画家とか目指してたんですか？？

戸谷：　子供の頃はマンガ家になりたかったですね。だからクラスの誰かを主人公にした「●●物語」みたいなのを描いてました。

安田：　物語まで描いてたんですか？

戸谷：　はい。完成すると、みんなが「できた、できた」って盛り上がるんですよ。それが好きで描いてました。

安田：　「子供が集まってくる」というのはイメージ出来るんですけど。社会人に対してはどうですか？

戸谷：　社会人が集まってくるかどうかってことですか？

安田：　たとえば社会人だったら、ゴルフでドライバーがすごく飛ぶと、それだけで一目置かれるじゃないですか。

戸谷：　そうなんですか？

安田：　はい。仕事も出来そうに見えます。実際はぜんぜん関係ないんですけど（笑）。

戸谷：　でも「絵が描けると一目置かれる」というのは、ありますね。

安田：　たとえば、どんなシーンで？飲み屋さんでモテるとか。

戸谷：　モテるというか、人気は出ますね。

安田：　飲み屋さんで、いきなり何か描いたりするんですか？

戸谷：　いや、そんなことしないですよ。ただ一応みんなに「先生」って呼ばれるので。

安田：　まあ、スケッチの先生ですからね。

戸谷：　そしたら「何の先生ですか？」ってなるじゃないですか。それで「絵の先生なんです」「えーっ、絵ですか」ってなる感じ。

安田：　何か描いてって言われますか？

戸谷：　言われますけど、さすがに描かないですよ。でも絵で興味をもたれなかったことはないですね。

安田：　特に女性って、絵が好きそうですよね。

戸谷：　そういう傾向はありますね。だから絵が描けて羨ましがられることは多いです。

安田：　じゃあ、女性とのコミュニケーションに「これは有利だな」っていうのは、子どものころから感じてたんですか？

戸谷：　モテるというのとは違うんですけど、人気が出るっていう実感はありましたね。

安田：　人が集まってくるってことですか？

戸谷：　羨ましがられますね。たとえば、ふと外人が来て1人がペラペラって英語しゃべったら「おぉ～」ってなるじゃないですか。それに近い感じ。

安田：　ところで、一番肝心なことを聞きたいんですけど。

戸谷：　何でしょう？

安田：　絵を描いたら「飲み屋で盛り上がる」ってのは分かるんですけど。

戸谷：　はい。

安田：　営業現場で絵を描いたら、売上は伸びるんでしょうか？

戸谷：　これが伸びるんですよ。

安田：　どうもイメージがわきません。

戸谷：　私自身がそれを実践してます。何かお客さんに説明するときに、ぜったい絵で説明していくんですよ。

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