両親と先祖と見えざる社会

両親と先祖と見えざる社会

事故や病気で小さい時に両親を失ってしまう。
とても悲しいことだ。
物心ついた頃から両親をまったく知らない
という人もいるだろう。
だがそういう人達にももちろん、親というものは存在する。
人間は人間からしか生まれて来ないからだ。

この地球上に生きているすべての人間には
「父」と「母」という存在がある。
そしてその「父と母」にもまた「父と母」がいる。
そしてその「父と母」にも「父と母」が。
親に会ったことのない人でも二人の親、
四人の祖父母、八人の曾祖父・曾祖母、
十代遡れば1024人の先祖が例外なく存在するのである。
その誰一人が欠けていても、自分という人間は存在しない。

ほとんどの人は両親という有難い存在に見守れて育っていく。
人によっては祖父母に可愛がられ、
場合によっては曾祖父・曾祖母に可愛がられて
育ったという人もいるだろう。
だが五代前、八代前の先祖に可愛がられて
育ったという人はいない。
だからその愛情を直接感じることは不可能なのである。

五代前、十代前の先祖が、
直接自分に愛情を注いでいたとは考えられない。
なぜならばその時点で自分は存在していないからである・・・

 

  – 『[安田佳生メールマガジン] 2015.6.24 両親と先祖と見えざる社会 より冒頭引用

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