古くは『受験戦争』やら『詰め込み教育』やらの、“大人に追いこまれるかわいそうな子ども”的な言葉が、人々の心に影を落としているのか、「子どもに勉強させすぎるのはどうかと思う。いい学校に行けばいいってもんじゃない」とついクチにしたりする。
そんな“いい人ぶり”が、“まともな大人の標準装備”になっているような。でも、ちょっと欺瞞的です。社会の実体は学歴尊重的にできていますから。就職の応募書類には学歴を書かなきゃならないし、採用者の合否の判断になにがしか影響を与えているわけですから。
それについては、“まともな大人”も特に、学歴差別反対!とはっきり異議をとなえたりしないわけですから。低学歴より高学歴と結婚したいと思っているのが、高学歴の人々の主流だろうし。
そんな世の中だから、子ども自身も少しでもいい学校に合格したいと願っていて、その向上心や競争心は世の中に適合しているわけだから、健全です。
『詰め込み教育』についても、算数の九九や国語の読解力や漢字の読み書きを詰め込まなかったら、えらいことになるわけだから、詰め込みに批判的になる根拠もゆるい。
大人が勝手につくった“受験戦争”とか“詰め込み教育”とかの言葉で、大人が勝手に教育に対して、“個性重視の大らか側”と“受験に必死な没個性側”に分かれる壁をつくってしまい、多くの大人の実態はその両側に足をつっこんでいるコウモリなのに、そこを突っ込まれると痛いので、その結果、教育のことをちゃんと考えられなくなっているのかな。
ある種の人々は、受験や学校外の学習指導についてモゴモゴとあいまいに濁すことで、そこから落ちこぼれる子たちのしんどさについて、逆に見えないことにしちゃっているのかな。
山田社長と話すうちに、そんなことにも思いめぐらせた偏った大人の私でした。
そんなわけで、受験という現実の中に立たざるを得ない子どもたちに対し、あいまいな善意みたいなエクスキューズぬきで、真剣に向きあっている家庭教師やスタッフのみなさんに“びっくり”させられたわけです。
受験日が迫っている状況で、家庭教師に依頼する子どもというのは、できる子ではなく、合格が危ない!という子がずっと多い。そういう子の、最後の頼みの綱だったりするわけで、落ちてしまえばかなり傷つく。
そんな切迫の中で、講師もスタッフもなんとか逆転合格させなければならない。親もびっくりするような“びっくりの伸び”を実現しなければ、合格圏外から合格へとは昇れない。
現実現場のプレッシャーは相当だと思う。だから指導品質向上にひたむきで、先述した現代文のような“びっくりするような解答法や指導法”がいくつも生まれたのだろう。
さらには、やる気のない子がやる気を出し始める、という“びっくりの心の変化”もつくり出さなければ、合格を手に入れることはできない。
だからトップの家庭教師は、学習指導者としてだけではなく、やる気を引き出すモチベーターとしても、その辺の企業のマネージャーよりずっと考えているし、優れているように思われる。
「人をびっくり伸ばす。」というミッションのキーワードは、こうして生まれました。
「新しい学び方を開発する。世に新風を放つ。」の言葉どおり、同社はオンライン家庭教師事業を新たにスタートさせ、激戦区東京で磨いてきた合格ノウハウを、南の離島から北海道まで、全国にオンラインで届けはじめています。
この事業の、『事業ミッション』もつくりました。キーワードは、以下です。
「地方の教育格差を、ふきとばす。」