【GlobalPicks/vol.117】ウィルス後:コロナ後の世界で加速する10の消費トレンド No.8

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜
著者:小出 紘道



引き続き、「シリーズ コロナ後の世界」と題し、Skiftというサイトから「今後消費トレンドはどう変わっていくのか?」を見ていきます。

今回の記事はコレ↓

After the Virus: 10 Consumer Trends for a Post-Coronavirus World
ウィルス後:コロナ後の世界で加速する10の消費トレンド

[https://skift.com/2020/03/17/after-the-virus-10-consumer-trends-for-a-post-coronavirus-world/]

「コロナ後の世界」10の消費トレンドリスト

1. VIRTUAL EXPERIENCE ECONOMY
2. SHOPSTREAMING
3. VIRTUAL COMPANIONS
4. AMBIENT WELLNESS
5. M2P (MENTOR TO PROTÉGÉ)
6. A-COMMERCE
7. THE BURNOUT
8. OPEN SOURCE SOLUTIONS
9. ASSISTED DEVELOPMENT
10. VIRTUAL STATUS SYMBOLS

 

先週は「8.OPEN SOURCE SOLUTIONS(オープンソースのソリューション)」を掘り下げました。次に行きます。

9. ASSISTED DEVELOPMENT(スキル習得支援型サービス)

One beneficial outcome of more time spent at home? Many will be prompted, forced even, to learn some often long-neglected traditional life skills, such as — gasp! — cooking for themselves.

自宅で過ごす時間が増えた結果、良かった点は?
多くの人が、このところずっと無視して軽視してきたスキル( 例えば自炊とかね)を習得するきっかけに(もしくは強制的に) なったことだろう。

忙しく働き続けてきたビジネスマンが、しばらくstay homeしていた副産物として「家事」などの「伝統的な技術」 が改めて習得できた、ということですね。まあ、僕は「 紅茶の淹れ方」くらいしか上達しませんでしたけど、、、。

原文続きます。

Cookery equipment brand Equal Parts offers customers access to pro tips through Text a Chef. People can text in to receive cooking tips, inspiration, and meal ideas. The on-demand text service is available seven days a week, 9 a.m..–9 p.m.

調理器具ブランドのEqual Partsは、 シェフとテキストで会話して助言を得られる仕様になっている。
調理のコツや、発想や、献立についてテキストで会話できる。
On-demand(オンデマンド)の助言サービスは、 毎日AM9:00~PM9:00まで利用可能。

Equal Parts(イコール パーツ)は、流行りのD2Cブランドです。

ざっくり調べてみましたが、2大特徴としては
・おしゃれでシンプルで手入れがカンタンな調理器具を販売( オンライン)
・料理コーチングサービス(SMSベース)でシェフと繋がる
です。
この2つの特徴の組み合わせで、「料理の習慣化をサポートする」 がコンセプト。
「人は本来料理したいはずだが、きっかけと時間がないだけだ」 という考え方のようです。
その解決手段として「手軽な調理器具」と「 プロからのアドバイス」の力を使っているのですが、 ちょうどタイミング的に「Stay Homeで出来た時間」が相乗効果となって「習慣化」 を達成できた人が多数いる、という構造です。

ちなみに、Stay Homeはシェフの側も「時間に余裕ができた(残念ながら)」 から「素人にアドバイスする時間も動機もある」ので、 瞬間風速的には「すごくうまくいっている」と思われます。「 Post コロナ」ではどうでしょうかね?

最後に、「いつか役に立つかも英単語」として、 D2Cを取り上げます。
さっき、「Equal Parts(イコール パーツ)は、流行りのD2Cブランドだ」と言いました。 そのD2Cです。

D2C :Direct to Consumer(ダイレクト トゥ コンシューマー)

有名なD2Cの一例としては、 コスメのGlossierとかマットレスのCasperなどです 。
要は「代理店とか販売業者などを仲介せずに、メーカー・ ブランドが直接顧客と関係を構築して、直接サービス提供する」 やりかたです。
一方でAppleは、 ドコモショップとかソフトバンクショップなどの「代理店」 でiphone売ってるので、D2Cではないです。
自社ECサイトだけで販売完結して、 顧客データも自社だけで管理・活用するケースがほとんどです。 そして、デジタル完結のケースがほとんどです。

なお、最近のD2Cはオンラインの自社サイトで十分な実績( 顧客との関係性と収益性)をあげた後のフェイズとして、あえて「 目に見えて、顧客と直接接点を持てるリアル店舗」 を出店する傾向にあります。

で、さらに、USでは「D2Cブランドを集めた百貨店」 というのが出来てまして、Neighborhood Goodsと言います。これは、with コロナ(百貨店受難期間) を乗り越えられたらめちゃくちゃ流行ると思います。

おそらく、日本の百貨店が生き残る道も「 Neighborhood Goodsの日本版」ということになるでしょう。

「Neighborhood Goodsの日本版こそが、日本の百貨店の生き残る道」
と言いましたが
「Neighborhood Goodsのすごさの源泉」と「日本の百貨店のしょぼさの根源」
についての持論は、またどこかで話します。

ASSISTED DEVELOPMENTの話が、 D2Cの話にすり替わってしまい、ごめんなさい。

 


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報

小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)

◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ
代表取締役社長
http://citation-sp.co.jp

◆株式会社シタシオンジャパン
取締役会長
http://www.citation.co.jp

◆株式会社 イー・ファルコン
取締役
http://www.e-falcon.co.jp

<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた)
・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった)
・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった)
・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった)
・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)

 

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