今回のゲストは、大阪でビル・マンションの設計、リフォーム、運用、活用などを事業とされている株式会社ディーマンの野口社長です。BFIでは就活シェアハウスCREWSO(クルーソー)の企画構想をご支援させていただきました。2016年3月にオープンし、実際にシェアハウスでの入居生活・運営もスタート。メディアからの取材依頼も多く、狙い通りの滑り出しをしている企画ですが、実は、野口社長の初期構想では、一切「就活」をターゲットにはしていませんでした。では、なぜ就活にいきついたのか。また、クルーソーのネーミング誕生の裏に隠されていた秘話!?を、ネーミング開発の極意とともにご紹介します。
安田:一番初めは明確な「これ」というのがあまり具体的じゃなくて、当時はたしか女子学生向けの…。
野口:そうですね。一番の前身はレディースシェアハウスというのをやる予定やったんですよ。
お客さんの自社ビルが空いてましてね、その空き家を上手く活用して収益を上げられないかな、というところから入りました。
安田:そうでしたね。
野口:たまたま女子大が近所にあったものですから、ここの学生をターゲットにしてレディースシェアハウスを作ろう、ということでお客さんにも納得してもらいました。「だいたい改装費これぐらい、そのかわり収益はこれぐらい上がりますんで、5、6年で償却しますよ」と。お客さんにOKをいただいて、いざ着工ぐらいのところまできていたんです。
安田:けっこう進んでましたね。
野口:でも実際、建物を調査したら古すぎて、耐震構造が全然なってない。このまま使うには非常にリスクがあるということでその話は立ち消えたんです。せっかく我々もやる気満々になって、プランも設計図面も立てて、いざ着工っていう段階まで来てましたんで、ぜひこれをどこか他で活かしたいなって。
安田:ここまできたら実現させたいですよね。
野口:それでいろいろ考えてる矢先に、たまたま弊社事務所向かいの空き家が買えたので、「じゃあ、ここでやろう」と。でも、場所が離れたので、レディースシェアハウスにする必要性がなくなりました。ちょうどそのタイミングで安田さんと出会い、就活シェアハウスに移行していったわけなんです。
安田:最初はたしか、みんなで掃除するとか、研修するとか。
野口:研修施設でしたね。「エース合宿センター」っていう名前を考えてました。
安田:「エース合宿センター」?
野口:そうです。「エース合宿センター」。
安田:良かったです、それにならなくて(笑)
野口:今になって思うんですけど、あの名前で研修施設をやってたら、間違いなく失敗してただろうなって(笑)。誰も集まらないままどないなってたんかなって、本当に恐ろしいんですけど。
安田:どこから「クルーソー」になっていったんでしたっけ?
野口:安田さんとの話し合いのなかで、まず合宿センターにするべきなのかどうなのかということになりました。合宿センターでは僕らが企業に営業にいき、賛同いただいた企業からお金を出してもらい、例えば、新入社員向けの合宿型研修施設にしようと考えていました。でも企業はそういうのは望まないという話になり、じゃあ、方向性変えていかなければいけないなって。どのタイミングで就活シェアハウスになったんでしたっけね。
安田:基本的に就活ってちょっとしんどいイメージじゃないですか。スーツ着て、本来の自分じゃない自分を作って。そういう就活が面白くないな、とか、つまんないな、と思ってる人向けに、今までの就活ではない、もうちょっと楽しみながら就活をしてほしい…。
野口:そうだそうだ、「『就職モラトリアム』っていうのを作ろう」、そこからですね。
安田:みんなと同じように一斉に活動せずに、じっくり相談しながら、時間かけながら人生を決めるのもいいんじゃないの?っていう、楽しく、旅に出るような、みたいなね。
野口:そこから始まったんですよね。
安田:そうしたら、やっぱりネーミングとコンセプトは大事だろっていうことになって、それからですよね。多分、今はですね、商品の名前とコンセプト、この2つは大事だということを、なんとなく感じていただいてると思うんですけど、中小企業の社長で名前にお金かける人ってあんまりいません。あの当時「名前にお金払うんか」って思いませんでした?正直言って。
野口:正直「高っ!」って思いましたね(笑)。「名前ぐらい自分で考えれますよ」って心の中で思ってたんですよ。我々も社内で何が良いかネーミングを募いました。僕、正直自信あったんです。「ナビゲート」という名前でロゴまで作ってたんですよ。
安田:作ってましたよね、「ナビゲートです」って。
次ページで、いよいよ「クルーソー」とご対面。さて、野口社長の反応いかに。