第143回 上司の言葉<彼氏の言葉

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/上司の言葉<彼氏の言葉

働く方々には、それぞれお悩みがありますよね。

時には、そんな話をマンツーマンで伺うことも、ぼくの仕事のひとつです。

お困りごともあれば、ポジティブなことも。他愛もない話もたくさんありますが、そんな時間は嫌いではなく、むしろ楽しみな時間のひとつです。

先日、大手旅行会社マネジャーTさんに誘われ、雑談の場に。

若手部下から、「しんどい、辞めたい」と相談されて困っている、、といった話でした。

・面倒見がよく、周囲への気配りもできる彼女には、後輩からの相談事が集まってくるようです

・成長意欲も高く、優秀な人材だという彼女には、期待を込められた仕事も多く集まっているようです

・会社や仲間のことが好きで、責任感の強い彼女は、そのどれに対しても懸命にこたえているのだとか

・入社以来、そんな状況が続き、リーダー職にも昇格し、さらに周囲からの期待が集まっている

そんな状況が、

「もうこれ以上、頑張ることは難しいです、、」

「体力的にもしんどく、みんなに迷惑もかけたくないし、申し訳ないですが、退職しようかと思っています、、」

との言葉を引き出したとのこと。。

上司であるTさんは、

これまでの「感謝の気持ち」や、皆から「伝え聞く賞賛」やら、これからも一緒に頑張っていけたら「嬉しい」、などの思いを交えて、「今後の対応策」について語ったそうです。

それは、社内の会議室でも、オンラインでの1on1でも、彼女が信頼する同期も誘っての飲みの場でも、繰り返して伝えたのだとか。

でも、結果は、、

「いろいろと気遣ってくださり、ありがたいですが、、やっぱり私には、難しそうです、、今夜はご馳走になり、ありがとうございました、、」

金曜の夜に、そんな言葉を別れ際に聞きながら、それぞれが家路へと向かったようでした。。

「それがね、、高松さん。。週明け、月曜にめちゃくちゃ笑顔で出社して

『やっぱり、もう少し頑張ってみます!』

『いろいろ、ありがとうございます!!』

なんて、言うんですよ」

Tさんは、ホッとしたし、とてもうれしかったようですが、同時に驚きもあり、どんな心境の変化があったのかを、彼女の同期に聞いてみたようです。

「あ、なんか週末に彼氏とUSJ行って、すごく楽しかったみたいすよ」

「そん時に、『頑張っているお前がいてくれるから、俺も頑張っていられるんだ。いつもありがとうな』なんて言われたー💙って、浮かれてまくってましたよw」

「あの子、ウチらの同期の◯◯と付き合ってるじゃないですか。◯◯も最近、めちゃ調子良いでしょ?」

「なんか、『二人でもっと頑張ろうねー💙』って、なったみたいすww」

Tさんは「上司の存在なんて、ちっぽけなもんですよね、、」とこぼしていましたが、

そのお気持ち。

高松にだけは、しっかりと届いたのでしたw

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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