第25回 ダイヤモンドの人気が衰えない理由

この対談について

母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。

第25回 ダイヤモンドの人気が衰えない理由

安田

宝石ってダイヤとかルビーとかサファイアとか、いろいろ種類があってそれぞれ価値が違いますよね。素人からすると、ルビーよりサファイアが高くて、それよりさらにダイヤが高いっていうイメージなんですけど、合ってます?


望月

それが一般的なイメージだと思いますけど、一概にそうとも言えなくて。実際にはそれぞれの宝石に異なる市場価値があって、品質やサイズなどによっても大きく変わってくるんです。

安田

へぇ〜、そうなんですか。つまり宝石の中で一番高いのがダイヤとも言い切れないと。


望月

ええ。ルビーでもサファイアで非常に高いものはありますし、ダイヤでも安いものはある。一言でいえば希少性が価格に大きく影響するんです。

安田

ああ、なるほど。確かに同じ種類の宝石でもピンからキリまでありますもんね。じゃあ、同じ大きさで品質も同じならどうです? ダイヤが一番価値が高いわけですか。


望月

そう判断されることは多いと思います。大きいダイヤは何億円もするものもありますし。ただ一方で、ダイヤは採掘量がすごく多いんです。そういう意味では、他の宝石の方が希少価値が高くなる可能性もあったりして。

安田

ふーむ、なるほど。でも街の宝石屋さんだと、同じ金額だとダイヤはすごく小さいものしか買えなくて、ルビーならもう少し大きいものが買えたりしましたよね。だから私の中でダイヤは宝石の中でも別格のようなイメージがあって。


望月

そうですね。「宝石の王様」と呼ばれていたりもしますし、ダイヤが皆さんに一目置かれているというのは事実だと思います(笑)。歴史的に王族や貴族たちの間で「権力の象徴」とされてきたものですし。あとは明確な基準で品質が評価されている点も人気の理由の一つでしょうね。

安田

ああ、たしか「4C」でしたっけ。「カラー」と「カラット(大きさ)」、「クラリティ(透明度)」、そして「カット」の4つの基準で価値が決まるんですよね。


望月

よくご存知ですね(笑)。仰る通り、その4つの基準によってダイヤの価値は判断されるんです。

安田

ふーむ、お話を聞いていると、ダイヤってまるで「金のような存在」ですね。ルビーやサファイヤだったら好みが分かれそうですけど、ダイヤはオールマイティというか。


望月

確かにダイヤの価値は世界的に安定しているので、ある意味通貨のような役割を果たしているとも言えるかもしれません。

安田

ちなみにルビーやサファイアには、ダイヤのような評価基準はないんですか?


望月

ダイヤほど明確な基準はないですね。だからその分変動も大きくて。私もコロナ禍に入る前まではよく買い付けに行っていたんですが、ルビーは過去数年で価格が3倍から4倍に上がってます。

安田

へぇ! そんなに変動するんですね。何が原因でそこまで価格が上がったんですか?


望月

極端に供給量が減ったというのが大きいですね。

安田

ははぁ、つまりそれだけ希少価値が上がったと。…でもそれがどんどん加速していったら、ダイヤよりも他の宝石が高価になる可能性もあるんじゃないですか?


望月

可能性はゼロではないですね。ダイヤの価値は安定していますが、一方で他の宝石はその時代のトレンドや需要によって価値が大きく変動することがあるので。

安田

なるほど。ちなみに、「ダイヤを基準に他の宝石の価格が決まる」というようなことはないんですか?

望月

それはないですね。それぞれの石ごとに独自の市場があるので。例えば、ここ2年ほどで日本のアコヤ真珠の価格が4、5倍になっていたりもしますけど、それは別にダイヤの高騰が理由ではないです。

安田

なるほど。ちなみにアコヤ真珠と言えば、中国ですごく人気があるとは聞いたことがあります。

望月

ええ、仰るとおりです。今はほとんど中国の買い手に渡っているんじゃないかな。昔の真珠の価格ではもう販売できないので、我々もなかなか仕入れにくくなってますね。真珠屋さんにとってはバブルのような感じですけど(笑)。

安田

なるほど(笑)。いま宝石業界では「真珠バブル」が起きているわけですね。もしかしたら真珠がダイヤを超える日が来るかもしれない。

望月

うーん、それはないと思いますけど(笑)。でも何が起こるかわからない市場ではありますね。

安田

ふーむ、なるほど。やっぱり宝石って、なかなか興味深い世界ですね。


対談している二人

望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表

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25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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