第42回 生物の進化における壮大な設計図

この対談について

人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。

第42回 生物の進化における壮大な設計図

安田

今日は「生物の進化」について藤原さんとお話ししてみたくて。というのも「進化には計画も意思もない」って聞いたことがあるんです。優秀な遺伝子を残そうとしているわけじゃなく、環境に適応した結果が残っていくだけだと。


藤原

ははぁ、なるほど。その結果を人間が「進化」と呼んでいるだけ、というわけですね。

安田

そうなんです。でも計画や意思がまったく存在しないと言われると、どうも違和感があって。そもそも生命が誕生する確率って、「海にバラバラに投げ入れた時計の部品が、波にもまれて自然と時計に戻るぐらい」らしいんですね。


藤原

うーむ、それはもう限りなくゼロに近いですよね。

安田

そうそう。もはやゼロですよ(笑)。そんな奇跡的な確率で生命が誕生し、そこからさらに進化を続け、ついには人間になった。そんなのちょっと信じがたいじゃないですか(笑)。何らかの意思や計画があった方がまだ納得できる。


藤原

確かに、進化には何かしらの意図があるようにも思えますよね。例えば鳥が飛べるようになったのも、生き残りや繁殖を成功させるために必要な能力だったとも言えるわけで。

安田

そうなんですよ。キリンも首が長い方が高いところの餌を食べることができたから生き残れたとか、空を飛ぶ生物も崖から飛び降りているうちに羽が生えた、なんて話もありますね。


藤原

「そういうのも全部結果論なんだ」と言われてもしっくりこないってことですよね。ここまでの精巧なシステムが偶然できあがるとは考えにくいというか。

安田

ええ、まさに。生命というのは、やっぱり何か大きな方向性に沿って作られてきたんじゃないかと考えてしまうんですよ。


藤原

なるほど。真実がどうあれ、その方が神秘的だしおもしろいですよね(笑)。

安田

同感です(笑)。でも実際ね、もし本当に何の方向性もないとすると、もう一度生命の起源からやり直した場合、今とは全然違う生態系になっていてもおかしくないわけでしょう? でも私は何度繰り返しても、ある程度同じ方向に進んでいくような気がするんですよ。つまりその方向性を決めている何か大きなルールが存在すると。


藤原

なるほどなぁ。そう言われるとそんな気もしてきますね。つまり、地球の40億年の歴史が何度繰り返されても、ある程度似たような世界が形作られると。

安田

そういうことです。そしてそれは生命の個体にも言えると思っていて。例えば私たち人間の体ってものすごくよくできてるじゃないですか。自然に傷が治ったり、ストレスで胃に穴が開いたり。これも結果論や偶然じゃなく、何かしらの設計があるように思えて仕方がなくて。


藤原

確かに、生命体の構造って美しいですよね。あまりにバランスが取れている。

安田

そうなんです。だから、宇宙全体が向かうべきベクトルがあって、そのルールに基づいて物事が動いているんじゃないかと。そうでなければ、こんなにうまくいくはずがない。


藤原

見えざる意志のようなものが働いている感じですね。

安田

そうそう。例えば人間の脳も左右に分かれていて、ロジックと感性をそれぞれ司っている。宇宙と構造が似ているとも言われていて、やっぱりこれほどのものが偶然できたなんてどう考えてもおかしい。


藤原

ははぁ、なるほど。そこまで考えたことはなかったですが、言われてみれば確かに不思議ですねぇ。

安田

「生と死」についても、まだまだ謎だらけじゃないですか。だから実際に自分が死んだら、その答えがわかるんじゃないかと期待しているんです。それが死ぬことの一つの楽しみでもあって(笑)。


藤原

自らの「死」ついても楽しみを持っているなんて、さすが安田さんです(笑)。

安田

「死んだら無になる」なんて自信満々に言う人もいますけど、そんなのわからないじゃないですか。実際に死んでみないと確かめようがない。


藤原

そうですね。仰るとおりだと思います。

安田

だからこそ、「無になる」と断定するのは逆に非科学的な気がするんです。科学的に考えるなら、むしろ「わからない」が正解ですよね。


藤原

確かに。人間は見えるものだけで判断しがちですけど、実際には今日のお話のように、もっと大きな何かが存在しているのかもしれません。

安田

そうなんです。この三次元の物理的な世界だけが全てだと思い込んでいますが、実際にはわかっていないことばかりですから。そもそも地球と太陽が、人間に都合のいい絶妙な距離で存在しているのも不思議ですよ。


藤原

本当にそうですよね。ちょうどいい位置にあるおかげで、暑すぎず寒すぎず、日本では季節の変化まで楽しめるわけで……いやぁ、有り難いなぁ(笑)。

 


対談している二人

藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表

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1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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